目からウロコ「国語ができない」を変える新発想 「読み・書き」ではなく「聞く・話す」に戻ろう

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文章には2つのパターン(説明文型・物語型)がありますが進め方は同じです。

① 読み聞かせをします。

→つまり文章を親が読みます。ちょうどイメージとしては「絵本の読み聞かせ」と同じ要領です。

② 途中、設問とは関係ない問いかけをします

→「あなたならどうする?」「どうしてこんなこと書いてあるのかな?」という問いかけをします。設問と関係ない文章内容の問いをすることで、子どもは文章の内容に引き込まれていきます。

③ 設問になったらその都度解きます

→設問も子どもに問いかけるように親が読みます。

<選択肢の場合> 選択肢も読み上げます。そしてクイズ的に行います。1回の問いかけでできなければヒントを言います。

<記述の場合> 一言で「語らせます」。そして「もう少し説明するとどうなる?」と聞き、それをメモさせておきます。そのメモを見ながら最終的に文を書くようにします。

つまり対話型にすると、読解ができるようになっていくということです。自分では読んで文章は理解できませんが、人が読んでくれると内容がよくわかるという経験は多くの方が持っているのではないでしょうか。問いも、自分で読むとわかりませんが、「人から問われる」と意味がわかることがあります。これをぜひ試してみてください。筆者は、この方法で、小中高校生に国語を指導してきました。授業スタイルは「読み聞かせ」と「対話型」で構成されています。

子ども自身でひとりきりでできるように導く

そして最後に大切なことは、これらの作業を子ども自身で、ひとりでできるように導いてあげることです。とくに親が子どもと行う場合、いつまでも親が読み聞かせをすることはできないため、段階的に子どもが自分で読んで自分で答えられるようにスライドさせていきます。

例えば、第1段落は親が読み、第2段落は子どもが自分で解くという形です。徐々に子ども自身にスライドさせていく一連のアプローチを筆者は「教育」と呼んでいます。

以上、読解力はそもそも読めない子に“読ませる訓練”をするよりも、まずは「読み聞かせ」「口頭試問」をやってみてください。これまでわからない文がわかるようになり、解けなかった問題が解けるようになることに気づくことでしょう。

石田 勝紀 教育デザインラボ代表理事、教育評論家

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いしだ かつのり / Katsunori Ishida

1968年横浜生まれ。20歳で起業し、学習塾を創業。4000人以上の生徒に直接指導。講演会やセミナーを含め、5万人以上を指導。現在は「日本から 勉強が嫌いな子を1人残らずなくしたい」と、Mama Cafe、執筆、講演を精力的に行う。国際経営学修士(MBA)、教育学修士。著書に『子ども手帳』『子どもを叱り続ける人が知らない「5つの原則」』、『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』ほか多数。

講演、執筆相談はこちらから。

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