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宮崎駿の人生を変えた「ある有名作家」の正体 ファンも知らない「ラピュタ主題歌」誕生秘話

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加藤:サン=テグジュペリの恵まれた境遇の中における激しい欲望を、宮崎は非常に純粋な人間の欲望として見ている。宮崎も、アニメの中でいろいろ、やらかしているわけですよ。他人のために死んでしまいたいという話がよく出てくる。『崖の上のポニョ』にも、あの人と一緒になれるなら、死の世界でもうれしいというメッセージが組み込まれている。

宮崎は『人間の土地』の「あとがき」で、飛行機が武器に使われることを憎んでいます。地雷を禁止するのと同様に、飛行機で爆弾を落とすことを、有人無人を問わず禁止しろと叫んでいる。

宮崎アニメがはらむ危険

適菜収(以下、適菜):先ほど、加藤さんが宮崎アニメと特攻の関係について指摘されてましたが、死んだ後に世界が残っていると思うから、特攻するわけですよね。自分が死んだら、世界がゼロになるんだったら、死ぬ必要はない。

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加藤:宮崎アニメでは、死んだパイロットたちの飛行機が編隊を成して、高い雲の上に静かに美しく浮かんでいる場面がありますよね。あの隊列の勇壮さに憧れ、そこに加わりたいと感じれば、それは名誉の死への陶酔となる。

適菜:だから、利用されちゃうわけですね、死が。

加藤:それが個人的な思いだけなら自由ですけど、しかしやはり戦争や社会的な力に利用されやすい。その複雑さを零戦に託して製作されたのが『風立ちぬ』ですね。あれほど美しい飛行機が、武器として使われてしまうしかないという痛ましさ。

:そこも含めて、「捨身」の問題に、最終的には、つながってくるよね。

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