ホンダ「CRF250L」全面改良、あえて変えない訳 日常のオンロードも休日のオフロードも楽しく

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2020年12月17日に発売されたホンダ「CRF250L」。従来から好評だったオンロードでの扱いやすさはそのまま、オフロードでの走破性を高め、よりトータルバランスに優れたモデルに進化(筆者撮影)

ホンダの人気商品「CRF250L<s>」(以下CRF250)がフルモデルチェンジを果たした。「CRF」と言うネーミングは、本来なら悪路専用コースで戦うモトクロス用の競技車両、いわゆるモトクロッサーに与えられる名前だ。CRFというレーシングマシンのネームを市販車に採用しているあたり、ホンダ開発者の心意気が伝わってくる。

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そんなCRF250は、2輪マーケットにおいて安定した人気を永きにわたって保っている。そのルーツは古く、1980年代のバイクブーム全盛期にデュアルパーパスモデルとして大ブレイクした「XLR250R」だ。ちなみにデュアルパーパスとは、オートバイのカテゴリーの中で、未舗装路や不整地といったオフロードでの走行性能を保ちつつ、舗装路や公道などのオンロード走行にも対応させたモデルだ。

今回のCRF250は、まさにXLR250Rから続くデュアルパーパスのフィーリングを現代の技術で再構築したマシンとなっている。その走行性能を探るべく、さっそく市街地から悪路へとマシンを走らせてみた。

オフロードバイクらしいスタイリングとポジション

目の前に佇む姿は、エッジの効いたシャープなボディラインに、ホンダのオフロードワークスマシンのイメージカラーのエクストリームレッドで若々しいデザインだ。シート高880mmと聞くと高く感じるものの、幅の狭いシートと乗車1G(ライダーが1人乗車した状態)でサスペンションの沈み込みを多く取っているので、身長177cmの筆者でも足がつく。

日常での扱いやすさと足つき性を考慮して最低地上高は245mm、シート高は830mmのCRF250L。また、今回試乗したCRF250Lは、前後サスペンションストロークを伸長し、シートの厚みを変更することで最低地上高285mm、シート高880mmを確保。オフロードでの走破性を向上。ユーザーにニーズや嗜好に合わせて選べるようにラインアップしている(筆者撮影)

今回の試乗車は、CRF250L<s>という、サスペンションストロークが長く車高が高い仕様だ。標準仕様のシート高は830mmなので、好みで選べるところも嬉しい。相変わらずホンダのマシンのポジションには好感が持てる。ハンドル・シート・ステップの位置関係に違和感はなく、長く乗り込んできた相棒のようにも感じる。

スマートキーではないのは多少残念だが、長めの金属キーをシリンダーに差し込んで電源オン。モノクロ液晶メーターが美しく表示される。シフトインジケーター付きメーターには、バーグラフのエンジン回転計が上段に表示され、センター部分には大きめのフォントで速度が表示される。フューエルインジケーターには時計や燃費計、燃料消費計とトリップメーターが備わる。また、このモデルからは、悪路走行時のライダーによるコントロール領域を増やすため、リヤのABSのみキャンセルするスイッチも増設された。

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