「省エネ住宅」を選択する人は本当に増えるのか 建物のみならずソフトの改善もカギになる
ZEHは最高レベルの省エネ住宅だ。建物の断熱性向上などによる省エネと、太陽光発電などによる創エネを組み合わせ、室内の高い快適さを実現しながら、年間の一次エネルギー消費収支をゼロにすることを目指した住宅のことを言う。
具体的には、高断熱な壁やガラス・サッシの採用などによる建物自体の断熱性強化に加え、太陽光発電、高効率給湯システム、高効率エアコン、LED照明などで実現され、戸建て住宅で主として供給されてきた。
ZEH賃貸も基本的には同様の仕様で建設されるが、実現のために不可欠な太陽光発電の容量が住戸数に比べて少なくなることから、これまで共同住宅(賃貸住宅とマンション)における供給のネックとなっていた。
太陽光発電と蓄電池の設置も特徴
さて簡単に見沼区の物件を紹介すると、敷地面積が1647.79㎡、建物の延べ床面積が1785.05㎡の3階建てで2020年11月に竣工したものだ。全21戸はファミリー向けタイプとなっているという。
大容量太陽光発電を搭載したことでZEH化を実現しているが、その発電は各住戸に分配され、住民が使用できるようになっており、そのため他の物件に比べ安い光熱費で生活できるのも、この物件のアピールポイントだ。
太陽光発電の電力は、非常用コンセントを通じて晴れた日中なら最大で1500W分の使用が可能。それによりスマホなどの充電やある程度の家電の使用も可能になるため、災害による停電時に比較的安心して生活できる。
なお、この物件では各住戸に蓄電池も設置されている点も特徴の1つ。これは、日中に太陽光発電による余剰電力、夜間には割安な深夜電力を貯めて使用することができ、より大きな光熱費削減効果が期待できる。
同社の試算では、1住戸の面積が65㎡で給湯器はエコジョーズ、太陽光発電2kWを搭載した「シャーメゾンZEH」の場合、一般的な仕様の賃貸住戸と比べ、CO2排出量を93%、光熱費を39%(月平均6000円)削減できるという。
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