中国、半導体でもこれからの「第3世代」に照準 自力で世界的半導体メーカーの育成を目指す

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SMIC(上海、2020年12月)

ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)のチャールズ・シュム、若杉政寛両アナリストによると、中国市場ではTSMCが今後3年で中芯国際集成電路製造(SMIC)など地元勢にシェアを奪われる可能性がある。米中貿易摩擦の激化と制裁リスクを踏まえ米国産テクノロジーへの依存を小さくしたい中国勢は、先端の技術開発を加速させており、ウィル・セミコンダクター(韋爾半導体)や紫光展鋭など国内の半導体設計会社から受注する公算が大きいと分析している。

第3世代半導体で中国が先行者利益を確保する可能性

中国の習近平国家主席は、25年末までに推計1兆4000億ドル(約150兆円)を移動通信ネットワークから人工知能(AI)に至るさまざまなテクノロジーに投じると表明している。その大きな部分が半導体に向かう。

AIや量子コンピューターのような新たな成長分野の研究を加速させることができれば、中国企業は競争力を確保し得る。そこは第3世代半導体を必要とする領域だ。炭化ケイ素や窒化ガリウムなどの素材から成り、高周波や高電力、高温環境でも動く第3世代半導体は、第5世代の無線周波数や軍用レーダー、電気自動車などで広範な用途がある。

シティグループのアナリストによれば、従来からあるシリコンベースの半導体が世界での利用の大半を当面占め続けるとしても、中国は第3世代半導体分野で先行者利益を確保する可能性がある。三安光電(サンアン・オプトエレクトロニクス)と国有の中国電子科技集団がこの分野に参入。一方で、米クリーや住友電気工業はまだ着手したばかりだ。SMICやウィル・セミコンダクター、ナショナル・シリコン・インダストリー・グループ(上海硅産業集団)など他の中国半導体メーカーも手厚い国家支援を受ける。

IDCのモラレス氏は「中国が行っている投資のコミットメントは、中国半導体のエコシステム(生態系)がわれわれの業界と全体的なIT市場の進展に重要な役割を果たし続けることを確実にしている」との見方を示している。

原題:China Revs Up Grand Chip Ambitions to Counter U.S. Blacklistings(抜粋)

著者:Bloomberg News

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