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日本の「ミャンマー宥和外交」は機能しているか 今こそミャンマーとのパイプを機能させよ

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  • 柴田 直治 ジャーナリスト、アジア政経社会フォーラム(APES)共同代表
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ところが、ミャンマー国軍は「選挙で大規模な不正があった」ことをクーデターの理由に挙げたのだ。経済制裁しないようアメリカを説得するより先に、自ら監視した選挙で大規模な不正があったとする国軍に対して論拠を質し、抗議するのが筋ではないのか。

笹川氏はクーデターを主導したミンアウンフライン国軍総司令官と、日本やミャンマーで政府代表として面会を重ねている間柄でもある。

クーデターの一報が世界を駆けめぐった2月1日朝、アメリカの大統領報道官がいち早く非難声明を出し、国連のグテーレス事務総長がそれに続いた。夜が明けた欧州からも次々と声明が出たが、日本政府が「重大な懸念」を示し、拘束されたアウンサンスーチー国家顧問の解放を求める外務大臣談話を出したのは同日の午後4時になってからだった。

欧米の共同声明に日本の名前なし

クーデター後、国民の間で抗議活動が広がった。おそらく国軍の予想を超えた規模で展開されているデモに対し、徐々に圧力を強め、実弾使用も辞さなくなっている。こうした事態に対して在ミャンマーの欧米の大使らは2月14日、抗議活動への暴力を止めるように求める共同声明を出した。しかし、日本の丸山市郎大使の名前はなかった。

丸山氏は1978年に外務省に入省。ビルマ語研修を含め5度のミャンマー勤務を経験した「ビルマスクール」のトップに立つ専門家だ。対ミャンマー外交になくてはならない人物とされ、軍政時代からキンニュン元首相ら歴代の軍の首脳に食い込み、キャリア組の歴代大使や外務本省からも「無二の存在」と評価されてきた。

軍政と親密だったことから、民政移管当初はスーチー氏から疎まれていたものの、スーチー氏のもとに足繁く通い、日本の支援もあって信頼を勝ち取ったとされる。

日本政府(外務省)は常々、スーチー氏率いる国民民主連盟(NLD)だけではなく、国軍にもパイプがあると主張し、欧米諸国との違いを強調してきた。パイプがいくつかあるとしても、丸山氏がもっとも太いパイプであることは間違いなかろう。日本政府の一貫したミャンマー「宥和政策」に深くかかわってきたキーパーソンといえる。

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