メルカリ首脳に問う「高額転売」問題への本気度 個人間売買が活発化する中で生じた新たな課題

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――出品そのものへの規制は?

重要なのは1次流通であるメーカーの意見だと思う。

僕自身、たくさんの1次流通の方と直接話をしてきたけど、高額転売への意見はさまざま。2次流通の価格高騰を問題視するケースもあれば、小売店で買い占めが起きることを問題視するケースや、(転売にはさほど関心がなく)偽物の流通などに頭を悩ませるケースもある。販売元の思いの多様性を尊重する意味でも、一律の規制が本当に有効なのかは考えなければならない。

まずわれわれとしては、販売元の皆さんからたくさん意見を聞きたい。そのうえで対応について今後も検討していく。ひとまず今回出した「アラート機能」は、いろいろなケースに横断的に活用できる。

販売元の意向によってメッセージの内容を変えることもできるだろう。(新たに機能として加える)アラートが購入を思いとどまらせてメルカリの流通額を下押しする可能性はあるが、それでも踏み込んでやる。

――特定の商品を欲している消費者としては、アラートを見ても「高いのは重々承知」と思うだけのような気もします。それでもアラートを出す意味はあるでしょうか。

そのあたりは実際に出してみないとわからない。メルカリの中で買い手の行動がどう変わるのかを見たい。

あとは、あらゆる販売元と連携してケースをどんどん作っていきたい。商品ジャンルごとに違った傾向が出るかもしれないので、まずは知見をためる。

東洋経済プラスの連載「転売ヤーの是非」で、この記事の続きを無料でお読みいただけます。同連載では以下の記事も配信しています。
税務署は転売ヤーの“荒稼ぎ”を入念に見ている
メルカリ、ヤフーが高額転売を「禁止」しない理由
「転売ヤー」の増殖を誰も止められない事情
「スイッチ」の異常な転売価格と「PS5」高騰の必然
長瀧 菜摘 東洋経済 記者

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ながたき なつみ / Natsumi Nagataki

​1989年生まれ。兵庫県神戸市出身。中央大学総合政策学部卒。2011年の入社以来、記者として化粧品・トイレタリー、自動車・建設機械などの業界を担当。2014年から東洋経済オンライン編集部、2016年に記者部門に戻り、以降IT・ネット業界を4年半担当。アマゾン、楽天、LINE、メルカリなど国内外大手のほか、スタートアップを幅広く取材。2021年から編集部門にて週刊東洋経済の特集企画などを担当。「すごいベンチャー100」の特集には記者・編集者として6年ほど参画。2023年10月から再び東洋経済オンライン編集部。

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