「6Gの主導権争い」早くも熱気を帯びる最新事情

なぜ欧米は連合軍から中国外しに躍起となるか

第5世代(5G)移動通信の世界的な本格普及はこれからだが、通信テクノロジー分野での次の主導権争いはすでに熱を帯びている。

最初に第6世代(6G)を開発し特許を押さえた国や企業が、次の産業革命を迎えるとも言われる通信業界で最大の勝ち組となれる。実現に至るまで少なくともあと10年はかかるだろうが、5Gピークスピードの最大100倍速い6Gで、リアルタイムのホログラムや空飛ぶタクシー、インターネットとつながった人体や脳といった長い間サイエンスフィクションが描いてきた世界が出現する可能性もある。

6G巡り共闘を探る動きはすでに活発化

まだ理論的な提案にすぎない6Gだが、共闘を探る動きはすでに活発化。地政学が米中を中心とするテクノロジーの対立をいかにあおっているかを如実に物語っている。ノキアのベル研究所でアクセス・デバイス責任者を務めるピーター・ベッター氏によると、「この取り組みは非常に重要で、軍拡競争の側面」もあり、「競争力を維持するためには研究者軍団が必要」になる。

米国のトランプ前政権は華為技術(ファーウェイ)など中国のテクノロジー企業に対し厳しい措置を打ち出したが、中国が5Gで世界をリードする地位に浮上するのを止めることはできなかった。だが6G開発はワイヤレス技術で米国に失地回復の機会を与えることにもなり得る。

米コンサルティング会社フォレスト・アンド・サリバンの情報・通信テクノロジー担当シニア産業ディレクター、ビクラント・ガンジー氏は「5Gと違い、今度はそう簡単に北米が主導権移行の機会を逃すことはない」と指摘し、「6Gの主導権争いは5Gより熾烈(しれつ)になる公算が大きい」と述べる。

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