「6Gの主導権争い」早くも熱気を帯びる最新事情

なぜ欧米は連合軍から中国外しに躍起となるか

6G主導権争いMarkets: China Open." (Source: Bloomberg)

 

6Gでも米中対立を色濃く反映する主導権争い

2019年に当時のトランプ大統領は「できるだけ早く」6Gが欲しいとツイートしていた。中国は6G伝送電波を試すため昨年11月に衛星を打ち上げたほか、ファーウェイはカナダに6G研究センターを置いたとカナダのメディアは伝えた。

米政府はすでに6G戦線の在り方を検討し始めている。米国の通信技術の標準化に取り組む電気通信標準化連合(ATIS)は昨年10月、「ネクストGアライアンス」を始動させた。「6Gで北米のリーダーシップを推進する」ためだ。参加したのはアップルやAT&T、クアルコム、グーグルなど米国勢に加え、韓国のサムスン電子などだ。

ファーウェイは加わっておらず、5Gを巡る対立を反映したアライアンスだ。ファーウェイは否定しているものの、同社に情報を窃取されるリスクがあると米国は主張。米国をはじめとし、日本やオーストラリア、スウェーデン、英国などが同社を5Gネットワークから締め出した。一方、ロシアやフィリピン、タイ、そしてアフリカ・中東の国々はファーウェイを歓迎している。

EUはノキア主導の6Gワイヤレスプロジェクトを発表

欧州連合(EU)は昨年12月、フィンランドのノキアが主導する6Gワイヤレスプロジェクトを発表。スウェーデンのエリクソンやスペインのテレフォニカなどが参加する。

ファーウェイなど中国企業への不信が6Gで小さくなる可能性は低い。民主主義陣営は大掛かりなドローン監視などを6Gが可能にすることを警戒し、独裁的な政権が5G技術をどのようにして利用するかについて懸念を強めている。すでに監視カメラや人工知能(AI)、顔認識、音声サンプル、DNAなどの生体認証を使い、市民を追跡・統制しているのが中国だ。

「中国は現在、監視と抑圧であらゆることをしているが、将来的に欧米の市場で確実に敗れるためにそうしているかのようだ」との見方を示すのはEUの行政執行機関、欧州委員会でデジタル社会とサイバーセキュリティーを担当したポール・ティマース氏だ。今はブリュッセルのシンクタンク、欧州政策センターの上級顧問を務める同氏は、これこそが「6Gへの技術的アプローチが国家のイデオロギー目標から切り離されていると信じることができない証左だ」と話している。

原題:The World’s Next ‘Arms Race’ Will Be All About 6G Dominance(抜粋)

著者:Shirley Zhao、Scott Moritz、Thomas Seal

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