HSBCストラテジストが語る市場予測と投資戦略 新興国・アジアの債券に妙味、株式収益は4%台

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――金融市場にとってのリスクで留意すべきものは? 中国はバブル潰しを少しずつ進めると思うが、チャイナショックのような政策のミスがありうるか。

中国は他国よりもいち早く景気回復のサイクルに入っているため、金融政策でも相対的にはタカ派になるだろう。財政刺激策も縮小するとみている。新興国やアジアの債券に投資妙味があると思っているが、中国が引き締めすぎるとマイナスの影響が出るので要注意だ。ただ、中国もリスクは認識しており、引き締めすぎるということはおそらくないだろう。中国人民銀行はFRBやECB(欧州中央銀行)、日本銀行とは異なり、金融の安定化にフォーカスした政策を実施するというのが妥当な見方だと思う。

今年はなるべく雇用をつなぎ止める政策が必要

――リーマンショック後にはアメリカの雇用の回復に非常に時間がかかり、潜在成長率の低下、長期停滞が問題視された。今回のショックは経済構造からくるものではなかったが、テレワークの進展などで業種によって回復の度合いが異なる。昨年12月時点のアメリカの失業率は6.7%だが、雇用の傷が長期化しないか。

重要な問題だ。回復がインクルーシブ(包摂的)になるか、気にして注視している。不況下で失業率が大きく上昇した後、失業率は1%ポイントずつゆっくりと下がっていくというのが通常なので、今回もコロナ前の3.5%に戻るには時間がかかると思う。

コロナによって人々の働き方や移動の仕方も大きく変化したが、今後もそれが続く可能性はある。セクターによってインパクトが異なり、外食産業などは恒久的なダメージを受けている可能性がある。しかし、リセッションの後に、構造転換があって異なる職種に人々が移っていくことはよくあることだ。バイデン政権は中長期の投資としては、インフラ投資、建設投資などを考えているようだが、本当は教育、再訓練のための投資が重要だと思う。

ただ、その議論は時期尚早で、今年はできるだけ、解雇や離職を招かないように、雇用をつなぎ止めておくための支援策が欠かせない。その意味ではアメリカよりも、景気の二番底リスクのある欧州のほうが心配だ。回復が遅れると、雇用を維持できない企業が増えてくる。

大崎 明子 東洋経済 編集委員

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おおさき あきこ / Akiko Osaki

早稲田大学政治経済学部卒。1985年東洋経済新報社入社。機械、精密機器業界などを担当後、関西支社でバブルのピークと崩壊に遇い不動産市場を取材。その後、『週刊東洋経済』編集部、『オール投資』編集部、証券・保険・銀行業界の担当を経て『金融ビジネス』編集長。一橋大学大学院国際企業戦略研究科(経営法務)修士。現在は、金融市場全般と地方銀行をウォッチする一方、マクロ経済を担当。

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