私が9割の中間管理職はいらないと断言する訳

不要な仕事をわざわざ作ってしまっていないか

ただ「承認して、報告して、挨拶するだけ」の中間管理職の存在価値が問われています(写真:xiangtao/PIXTA)

皆さんは「ブルシット・ジョブ」という言葉をご存じでしょうか。

世界的に著名な文化人類学者デヴィッド・グレーバーが、その著書『ブルシット・ジョブ』で論じたものです。

同書所収の論文では、1930年にジョン・メイナード・ケインズの「20世紀末までには、英米のような国々では、テクノロジーの進歩によって週15時間労働が達成されるだろう」という予測から問いかけが始まっています。

週15時間にならなかったわけ

もちろん、テクノロジーの進歩により、それまで3日かかっていた仕事の工程が、3時間ほどに短縮した例もあるでしょう。しかし、そのぶん仕事が減るのではなく、むしろ増えている。それは、つまり、本来は不必要な仕事、実際には無意味な仕事が作り出されているためではないか、と言うのです。

それでは、いったいどんな仕事が増えたのでしょうか。

1910年と2000年の雇用を比較する報告をグレーバーは提示しています。それによれば、工業や農業の分野ではいわゆる「奉公人」と呼ばれるようなポジションの人は劇的に減少しました。しかし、そのぶん、専門職や管理職、事務職、販売営業職、サービス業は3倍になったのです。それは雇用総数の4分の1から4分の3にまで増加しました。

つまり、テクノロジーの進展とともに生産に直接携わるような仕事は減ったけれども、「管理部門の膨張」が起きているのが、現代だというわけです。

グレーバーはそうした仕事の多くを、「ブルシット・ジョブ」と名づけました。それは、本来は不必要な仕事なのです。より効率化を進めれば、本来、そこまで増えなかった仕事です。ただ無意味で不必要というばかりではありません。その当事者たちもまた、自分の仕事は社会的に意味がなく、それが無意味で不必要なものだとうすうす気づいている、という点が「ブルシット・ジョブ」の特徴なのです。

私は大塚家具のことを思い出しました。

会長で父親である大塚勝久氏との確執が注目された大塚久美子前社長は、一橋大学経済学部を卒業した俊才。彼女が取締役社長に就任して以来、車内にはMBAなどを取得したエリート・コンサルタント集団が管理職として入ってきました。そのコンサルタントがさまざまな経営改善のプランを提案したわけですが、いずれもが功を奏さなかった。むしろ業績は悪くなっていったのです。

同じ家具メーカーでいえば、急成長を続けているニトリとは非常に対照的です。

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