日本電産の新たな野望、電気自動車マーケットへ食い込む


 二つ目はコスト競争の優位性。技術開発センターでは設計標準化(70%を共通化)や、機械1台当たりの作業員を半分にするなど作業効率のアップに試作段階から取り組んでいる。

三つ目は顧客対応の迅速さ。技術変化が速い情報機器分野で培ってきたきめ細かな対応力は、電子部品メーカーならでは。

「開発や納期など顧客ニーズに対するレスポンスが速い」と、ゴールドマン・サックス証券の高山大樹アナリストは話す。

現在は新型変速機や電動オイルポンプ用などを手掛けているが、より中枢である駆動系(メインモーター)への参入も狙っている。EVやHEVの駆動系モーターを開発中で、「国内外の12社から商談がきている」と澤村賢志副社長は明かす。

ただ、課題もある。HDD用などに比べより高度な品質が要求される車載用は、収益化に時間がかかる。当面開発費が先行するため、今期も同事業は赤字の公算。今後2年は利益貢献しないだろう。

また、EVの駆動系モーターともなると、高トルクでありながら、0~8000回転/分という頻繁な回転数の変化にも対応できる高性能製品が必要で、一段の進化が求められる。「自動車メーカーの眼鏡にかなうためには、相当に作り込んでいかないといけない」(『電気自動車が加速する!』などの著書がある御堀直嗣氏)。

「特に注目しているのは中国メーカー」と、永守社長は新興EV企業への食い込みを示唆する。新たな潮流をとらえて、自動車分野でも風雲児となれるか。

■日本電産の業績予想、会社概要はこちら

(梅咲恵司 =週刊東洋経済2010年4月10日号)

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