日本語は亡びない 金谷武洋著

日本語は亡びない 金谷武洋著

長年カナダで日本語教育に携わっている著者は、昨今の日本語滅亡論に異を唱える。

特に出色なのが、日本語の構造、発展が世界平和に寄与できる可能性があると論じた部分だ。英語が「近代個人主義、合理主義」の最たるものなら、日本語には「共視・共生」の思想があり、この考え方が混迷する世界を救うという大胆なものである。

たとえば、誰もが使う「行って来ます」。この言葉には二つの動詞が含まれ「行って(必ず、この場に帰って)来ます」という意味である。これは対話の場所に再び戻ることを約束したもので、英語にはない表現だという。「対話への復帰を言祝(ことほ)ぐ」こうした思想を持った言葉こそが、世界を蘇生する力を持つと考察する。

ちくま新書 714円

  

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