新駅開業で大注目「綱島」再開発でどう変わるか 東急新横浜線が22年度開通、道の狭さが課題

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バス路線のうち、ターミナルに入らず駅前で右折する路線も1系統だけある。鶴見駅と綱島駅を結ぶ臨港バスで、中小ビル群の中に1台だけ停められる発着場がある。

県道子母口綱島線は綱島駅南東にある綱島交差点から混雑しやすい。バスも駅近くで時間がかかることが多い(筆者撮影)

中小ビル群の東側には主要地方道2号線、通称「綱島街道」が南北に通る。綱島街道と子母口綱島線が交わる綱島交差点は交通量が非常に多く、とくに綱島街道の北からの流れと子母口綱島線の北西からの流れが悪く、渋滞が多発する場所だ。

このように、綱島駅周辺はまちの発展に道路拡幅整備が追いついておらず、渋滞の多発やバス乗り場の手狭さなど課題は少なくない。しかし、新綱島駅の開業に合わせてその姿が変わろうとしている。では、駅とその周辺は今後どのように変化するのだろうか。

新駅で変わる綱島周辺

まず、新綱島駅そのものは綱島駅の東側、綱島街道の地下約35mに島式1面2線のホームが設けられる。駅直上では土地区画整理事業と市街地再開発事業が進む。

新綱島駅工事現場。手前が綱島街道。写真中央に再開発ビルが建設される(筆者撮影)

土地区画整理事業では幅約12~19mの街路(綱島東線)が新綱島駅直上に造られ、街路の東西には広場が造られる。計画図では街路上にバス乗り場5バースが設けられるほか、タクシー乗り場や身体障害者乗降場が設けられる。

そして街路と綱島街道に挟まれるように高層棟と低層棟からなるビルが造られる。高層棟は29階建て、高さ約100mで住宅が中心になる。低層棟は1階から3階には商業施設を、4階と5階には400席のホールやギャラリーを設けた港北区民文化センターが入居することになっている。再開発ビルは住宅機能を中心に商業、公共機能を付加するといった近年よくある駅前再開発ビルの形となる。

綱島街道は拡幅され、現在の約12mから約20mになる。一方で、綱島駅と新綱島駅の間に綱島街道が通っていることから、将来的には周辺で行われる再開発事業の進展にあわせてデッキを造ることで連絡性や連続性を確保する構想がある。新綱島駅の再開発ビル以外のエリアも順次商業、住宅の再開発が期待されているほか、綱島駅東口では「綱島駅東口駅前地区市街地再開発事業」をはじめ、再開発の機運が高まっている。

駅名が決まり、2022年度の東急新横浜線開業に向けて再開発が進む綱島駅・新綱島駅周辺。新駅開業に伴う再開発で、温泉街から商業・住宅地へと発展してきたまちの姿は大きく変わりそうだ。

鳴海 侑 まち探訪家

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なるみ ゆう / Yu Narumi

1990年、神奈川県生まれ。大学卒業後は交通事業者やコンサルタントの勤務等を経て現職。「特徴のないまちはない」をモットーに、全国各地の「まち」を巡る。これまで全国650以上の市町村を訪問済み。「まち」をキーワードに、ライティングをはじめとしたさまざまな活動を行っている。最新の活動についてはホームページ(https://www.naru.me/)やX(旧・Twitter、https://twitter.com/mistp0uffer)で配信中。

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