日本に「GAFA」級の企業が生まれない根本原因 「よそ者」の力がベンチャー立国には不可欠だ
日本は建前上、移民を受け入れないことになっているが、法務省によると、中長期在留数と特別永住者数の合計は約289万人(令和元年6月末時点)に達している。日本の全人口に占める外国人の比率はそれほど高くないと思われるかもしれないが、都道府県別の人口数で比較すれば、この数はトップ10に相当する規模だ。
東京大学などの大学院に占める外国人学生の比率をみると、2割を超える大学も少なくない。彼らはせっかく母国を離れて日本に留学したからには、事業で成功したり、金持ちになったりして錦を飾って故郷に戻りたいという想いを持つ者が多い。
言い換えると、上昇志向やハングリー精神が旺盛なチャレンジャーであるのが特徴だ。まさに、80年代、90年代、全国各地から深圳にやってきた挑戦者たちと同じである。
在日外国人といえば、皆さんはどのようなイメージをお持ちだろうか。筆者も30年前から日本に在住してきた在日外国人の一人だが、付き合っている中国人の知人や同僚などを観察する限り、筆者自身が抱いているイメージも大きく変わっている。
変貌するZ世代の在日外国人
一言でいうと、中国経済の高度成長で所得が大きく上昇し、豊かになってきた若い世代(例えば、1990年代以降生まれのZ世代)は、筆者の世代と比べて日本をみる目がまったく変わったことだ。
1980年代に来日した際、筆者の目に映った新宿の高層ビル群、秋葉原の電気街など日本はドリームだらけだった。当時、中国の研修生はわずかな研修手当を節約し、日本製の電気製品をお土産に持ち帰るのが夢だった。
こういった体験談を周りの若い中国人に話すと、このおじさんの作り話ではないかと怪訝な表情でみられる。確かに、いまの中国のZ世代は、生まれてから高成長しか知らず、望むものはほぼすべてのものが手に入るようになり、海外旅行も日常茶飯事となった。
経済的にかなり恵まれており、親から1枚のクレジットカードを渡され、来日する留学生もいることを聞いてびっくり仰天した。
また、第一世代や第二世代の留学生の子どもたちは日本生まれ、日本育ちで小学校から日本人学生と肩を並べて学び、就職すると日本人と同じ仕事をするのも当たり前のようになってきた。
まだまだアルバイトをしながら必死に頑張っている苦学生のような留学生も少なくないが、平均的に日本人と同じような生活、場合によって日本人以上に豊かな生活を手に入れている在日外国人も増えている。在日外国人をみる色眼鏡をそろそろ外すべきだろう。
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