取引先が固唾を呑むトヨタ3月の「内示」

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トヨタの取引先にとってもう一つ気になるのが、一連のリコール問題でトヨタが新たに設置したグローバル品質特別委員会という存在だ。

「トヨタの品質が疑われるということは、われわれの部品の品質が疑われるということで、とんでもない話。クレームやリコールにつながるようなことは絶対に起こさないように、協豊会でも再確認している」という朝香会長だが、「今後、部品で問題があったときには(特別委員会に)呼ばれるのではないか。トヨタさんは言わないが、私はそう認識している」と気を引き締める。

毎年の優良得意先への表彰時に“ワースト得意先”を発表する他社もある。従来のトヨタにそうした習慣はなかったが、新組織発足は取引先に新たな緊張感を与えている。

国内や新興国の健闘で、トヨタは3月内示と同時に749万台の年間計画を若干上方修正するという報道もある。ただ、世界中に1000万台近い生産能力を抱えており、多少上振れたところで、稼働率は低迷したまま。難局を乗り切るには、取引先の共感と協力が欠かせない。トヨタの求心力がこれまでになく問われている。

■トヨタ自動車の業績予想、会社概要はこちら

(週刊東洋経済2010年4月3日号)

高橋 由里 東洋経済 記者

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たかはし ゆり / Yuri Takahashi

早稲田大学政治経済学部卒業後、東洋経済新報社に入社。自動車、航空、医薬品業界などを担当しながら、主に『週刊東洋経済』編集部でさまざまなテーマの特集を作ってきた。2014年~2016年まで『週刊東洋経済』編集長。現在は出版局で書籍の編集を行っている。

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