GPIFの運用方針見直しが発表されるのは、今の情勢では9月だろう。GPIF自体は、それまで大きくは買い増しに動くことができない。現在、GPIFの基本ポートフォリオで、「国内株式」は11%が標準組み入れ率で「許容乖離幅」(バカみたいに大きくて運用計画としては粗末なのだが)は6%であり、目下の国内株式組み入れ率は上限の17%に近いレベルにあると推測される。
GPIFの国内株式標準配分比率は22%に!?
これをどの程度まで見直すかだが、現状を17%と見ると、新たな基本ポートフォリオの標準配分比率で「20%」を切る数字では、インパクトが乏しく、下手をすれば発表後に失望売りが出かねない。最低で20%、政府筋からの圧力次第では、これまでの倍増の22%くらいまではあり得るか、と筆者は予想している。
アセットアロケーションの仕組みから考えて、国内株式が増える場合、外国株式や外国債券も増える公算が大きい。この場合、外貨の買いが発生するので、株価に対しては、円安のアシスト効果もあり得る。
単純化して考えよう。17%を基準に、「国内株式」1%の配分増に対して日経平均1000円上昇と考えて、「20%」なら1万8000円、「22%」なら2万円、と仮置きしておこう。ただし、これは計画発表後に動くのではなく、すでに今から情報の折り込みが始まっているし、何よりも、新計画発表前に「情報漏れしないわけがない!」と考えられる。
相場の機微を皆まで説明するのは無粋だからやめておくが、(1)新計画が発表される段階では相当程度相場に織り込まれている可能性が大きいこと、(2)GPIFやGPIFを意識する資金(45兆円くらいある)の買いは「じわじわ」出るので、売っても相場が下がりにくい「巨大なプット・オプション」が株価に付いたような状態となって株価を押し上げる、しかし(3)「買い」の弾が尽きるとだらだらと株価が下がる、という程度の「展開のアヤ」を、投資家は今の段階から想定してゲート・インして欲しい。
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