NTTデータが「世界8位」に納得しない根本理由 さらなる拡大展開で「トップ5」に食い込めるか
――NTTドコモが完全子会社化され、NTTグループの中で上場する主要子会社はNTTデータのみとなりました(現在の持ち株会社の出資比率は54%)。持ち株会社の澤田純社長は「データは完全子会社化しない」と明言しています。なぜでしょう。
澤田がNTTの社長に就任した際、注力分野として「スマートシティ」を掲げた。そこではやはり通信、インフラ、プラットフォームを組み合わせたトータルサービスが必要になる。もちろん、いろいろなベンダーやベンチャー企業とも連携していくが、グループとしての連携を強めることは間違いない。
ただ、澤田からは「上場を維持してくれ」といわれている。現在は(売上高で)8位だが、「まずITサービスの業界の中で世界トップ5に入ることを目指せ」「もっと上に行ってくれ」という思いが澤田にはあるし、われわれもそこを目指している。
トップのIBM、2位のアクセンチュア、それらに続くデロイトやタタ(・コンサルタンシー・サービシズ)、HPE(ヒューレット・パッカードエンタープライズ)といった競合に勝たないといけない。われわれが強くなれば、NTTグループとの連携も一層加速できる。
海外で社名を言ってもわかってくれない
――グループの成長戦略の中心は海外にありますが、この10年ほどで数千億円規模の海外M&Aを行い、各国で顧客を抱える会社を取り込んできました。
NTTデータにとって2005年が“グローバル元年”だった。そこから海外M&Aを活発化させた。海外売上高は9000億円ほどになり、全体の4割を占めるまでになった。ファーストステージで拠点の拡大に注力し、53カ国225都市までに広がった。
今はセカンドステージでNTTデータブランドの確立をめざしている。海外で「NTTデータ」と名乗ってもわかってくれない。これまでの経験では、主要国でシェアを2%くらい取ると、その国のITベンダートップ10に入る。そうすると、各国の政府や大企業から(システム構築の)提案依頼書をもらえるようになったり、大企業のCEOともガチンコで会話できるようになる。
ヨーロッパでは、スペインが今5%強のシェアで、イタリアは3%弱、ドイツは2%弱だ。一方でアメリカはまだ1%だ。ブランドの確立を徐々に進め、2025年の世界トップ5入りを果たすのがサードステージになる。
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