NTTデータが「世界8位」に納得しない根本理由

さらなる拡大展開で「トップ5」に食い込めるか

NTTデータの本間社長は「われわれが強くなれば、NTTグループとの連携も一層加速できる」と語った。(撮影:今井康一)
NTTグループでは澤田純氏が2018年に持ち株会社の社長に就いて以降、海外事業の拡大にアクセルを踏み込んでいる。しかし現状、海外事業はグループ売上高の2割ほどしかない。それを今後の成長柱にできるかどうか。カギを握るのがNTTデータだ。
金融や公共の分野での盤石な顧客基盤に加え、自動車などの製造業や流通業など幅広い業界を開拓。大きな業績不振に陥ったこともなく、発足以来31期連続で増収が続いている。この要因の1つが、近年積極的に進めている海外M&Aだ。顧客のITシステムの構築や新たなデジタルサービスの開発を担うシステムインテグレーターは、顧客基盤が命。欧米を中心とした買収先の顧客網や技術力をテコに、NTTグループの海外戦略を一手に背負おうとしている。
本間洋社長にグループ企業との連携や今後の海外戦略について聞いた。

 

――NTTドコモが完全子会社化され、NTTグループの中で上場する主要子会社はNTTデータのみとなりました(現在の持ち株会社の出資比率は54%)。持ち株会社の澤田純社長は「データは完全子会社化しない」と明言しています。なぜでしょう。

澤田がNTTの社長に就任した際、注力分野として「スマートシティ」を掲げた。そこではやはり通信、インフラ、プラットフォームを組み合わせたトータルサービスが必要になる。もちろん、いろいろなベンダーやベンチャー企業とも連携していくが、グループとしての連携を強めることは間違いない。

ただ、澤田からは「上場を維持してくれ」といわれている。現在は(売上高で)8位だが、「まずITサービスの業界の中で世界トップ5に入ることを目指せ」「もっと上に行ってくれ」という思いが澤田にはあるし、われわれもそこを目指している。

トップのIBM、2位のアクセンチュア、それらに続くデロイトやタタ(・コンサルタンシー・サービシズ)、HPE(ヒューレット・パッカードエンタープライズ)といった競合に勝たないといけない。われわれが強くなれば、NTTグループとの連携も一層加速できる。

海外で社名を言ってもわかってくれない

――グループの成長戦略の中心は海外にありますが、この10年ほどで数千億円規模の海外M&Aを行い、各国で顧客を抱える会社を取り込んできました。

NTTデータにとって2005年が“グローバル元年”だった。そこから海外M&Aを活発化させた。海外売上高は9000億円ほどになり、全体の4割を占めるまでになった。ファーストステージで拠点の拡大に注力し、53カ国225都市までに広がった。

今はセカンドステージでNTTデータブランドの確立をめざしている。海外で「NTTデータ」と名乗ってもわかってくれない。これまでの経験では、主要国でシェアを2%くらい取ると、その国のITベンダートップ10に入る。そうすると、各国の政府や大企業から(システム構築の)提案依頼書をもらえるようになったり、大企業のCEOともガチンコで会話できるようになる。

ヨーロッパでは、スペインが今5%強のシェアで、イタリアは3%弱、ドイツは2%弱だ。一方でアメリカはまだ1%だ。ブランドの確立を徐々に進め、2025年の世界トップ5入りを果たすのがサードステージになる。

東洋経済プラスの連載「反撃のNTT」で、この記事の続きを無料でお読みいただけます。同連載ではNTTグループ6社のトップインタビューも配信しています。
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