NTTドコモ新社長、「ヒット不在」の強烈な危機感 今のドコモに勢いを示す象徴が見当たらない
――契約数でシェアトップのドコモが、売上高と利益でKDDIとソフトバンクの後塵を拝した要因は何だったと分析していますか。
ドコモはNTTグループの中で利益の貢献が最も大きい子会社だった。やはりグループ全体の業績を考えたときに、ドコモには右肩上がりで利益を伸ばしてほしいという期待感がある。ただ料金をどんどん値下げする中で利益が減る。減益を補完する手立てとしてドコモは金融や決済などの事業を進めてきたが、そのメニューが不足していた。
今回の(持ち株会社による)完全子会社化で、固定通信や法人向けのソリューションを持っているNTTコミュニケーションズと連携し、減収に対処していかないといけない。KDDIとソフトバンクは法人営業でそれがすでにできている。固定通信も活用したクラウドやAIのサービスを取り込まないともう勝てない。
完全子会社化は他社と同じ土俵に立つための準備ができた、というふうにしかとらえていない。やっと固定回線が手に入る。これは遅かったかもしれない。だが5Gが広がるタイミングでギリギリセーフだった。
ドコモ社員は「悔しいと思うべき」
――歴史を振り返ると、「iモード」で席巻した時期がいちばん勢いがあり、だんだん「つまらない会社になっていった」という社内外の声も聞きます。そうした変化をトップとしてどうとらえていますか。
iモードがスタートしたのは1999年で、20年が経った今でもドコモの元気の良さの象徴になっている。つまり、この20年間でそれに続くヒット作が出せていないということ。ドコモの社員は本来、そのことを悔しいと思わなくちゃいけない。
もちろん「dポイント」の経済圏を広げたりだとか、何もしてこなかったわけではない。ただiモードがあまりにも革新的だった。「GAFA」も含めていろいろなサービスが出てくる中で、確かに目立つものが打ち出せていなかった。それを変えなくちゃいけないのも私の立場だ。
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