村田製作所、初の「非創業家」社長が直面する壁 米中対立の激化によって5Gの普及ペースが鈍化
5Gの普及が世界的に遅れている
――コロナ禍で2020年4~6月期(第1四半期)の純利益が前年同期比15%減少したなかでの社長就任でした。
2020年は第1四半期に車載向け部品の売上が大きく落ち込んだ。まだ欧州や日本では自動車の実需が大きく戻っていないが、7月以降は中国や米国の自動車市場が回復し、期初に想定していたほど落ち込まなかった。
またパソコンやタブレットの端末の台数需要は通期で昨年度比3%増になると予想している。ただ、これはいわゆる巣ごもり需要によるもので、一過性のものだろう。
――9月には中国の通信機器大手、ファーウェイに対する米国政府による輸出規制が強化されるなど米中対立が激化。影響はありましたか。
ファーウェイが5Gのインフラや開発で先頭を走っていた。5Gの普及が世界的に進むと年初に考えていたが、それが遅れている。(ファーウェイ以外の)他のメーカーでカバーされる部分はあるので5Gは伸び続けるが、短期的に影響が出ているのは残念だ。
一方でスマホ向け部品では大手1社が予定した数量を作れないので、そのシェアを獲得しようとアメリカ、韓国のスマホメーカーや中華圏のシャオミ(小米)、OPPO、Vivoなど各社から過熱気味に相当の受注を受けている。第3四半期(10~12月)は大きな売上に結び付くが、2021年2~3月に調整局面に入るだろう。
中国は大きなマーケットであり、中国の技術とともに成長する国もある。世界の経済圏が2極化しかねず、中国での地産地消を進めるなど米中双方に対応する必要も出てくるかもしれない。部品メーカーとして難しい局面だ。
①インタビュー/日本ペイントホールディングス・田中正明社長
②インタビュー/クボタ・北尾裕一社長
③インタビュー/カゴメ・山口聡社長
④インタビュー/三井化学・橋本修社長
⑤インタビュー/岩谷産業・間島寛社長
⑥インタビュー/イオンモール・岩村康次社長
⑦インタビュー/花王・長谷部嘉宏社長
⑧インタビュー/村田製作所・中島規巨社長
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