日本電産と村田製、「営業減益」でも強気な理由

「非開示」相次ぐ中、業績見通しに浮かぶ自信

日本電産の永守重信会長兼CEOは「競争力のあるところが生き残る」と強気の姿勢を崩さない。写真は2020年2月の社長交代記者会見(撮影:ヒラオカスタジオ)

新型コロナウイルスの影響で主要企業が決算発表時期を5月中旬以降に後ろ倒しする中、京都に拠点を置く電子部品大手の村田製作所と日本電産は4月30日、2020年3月期決算と2021年3月期の業績予想をそれぞれ発表した。

村田製作所は電圧調整を担う積層セラミックコンデンサー(MLCC)で、日本電産は精密小型モーターでそれぞれ世界最大手。今期の業績予想を「非開示」とする企業が多い中、両社は業績予想も開示し、業界のトップランナーとしての責任と自信を見せた格好だ。

部品確保の動きが村田製の追い風に

まず、村田製作所の2020年3月期(米国会計基準)は、2月時点の業績予想よりも売上高で240億円、営業利益で223億円上振れた。売上高は1兆5340億円(前期比2.6%減)、営業利益は2532億円(前期比5.1%減)と減収減益となった。しかし、中国のスマートフォン製造工場などで稼働率が低下した影響を受け、業績の下方修正が相次ぐ同業他社にあって、大きくは崩れなかった。

村田製作所の受注は増加基調にあり、2月は前年同月比1割以上、3月も同35%増となっている。もっともこれは、村田製部品の供給先で在庫確保の動きがあったことが背景にある。コロナ拡大でサプライチェーンの混乱が懸念される中、部品を多めに発注しようとする動きが村田にとってプラスに働いた。こうした前倒し受注による売り上げが2020年1~3月に300億円あったとみている。

しかし、2021年3月期は前倒し受注の反動減が避けられないほか、新型コロナウイルスの影響で、電子部品が搭載されている電子機器や自動車の需要が弱含むと予想。売上高で1700億円のマイナス影響が出るとして、2021年3月期の業績予想は売上高が1兆4300億円(前期比6.8%減)、営業利益が2100億円(前期比17.1%減)と前期に続いて減収減益になる見通しを発表した。

一見すると悲観的な見通しにみえるが、真相は異なる。もともと保守的な予想を出しがちなうえ、記者会見でも強気の見方をほのめかした。4月30日に会見した村田恒夫会長兼社長は「今年度(2021年3月期)の用途別売上高は車載用が15%減、通信向けが8%減を想定する」とした一方、下期に上期比で2桁増の大幅回復を見込むとした。

さらに、「2年後には(次世代通信規格)5Gの普及期に入り、自動車でもCASE(自動車の電動化や自動化など)が本格化して大きく回復する」(村田会長)と意気込む。

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