知っておきたい「駅非常ボタン」押すとどうなる トラブル時に取るべき対策をJR東日本に聞いた

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駅のホームに設置されている非常停止ボタンを押すとどうなるのか(筆者撮影)

2020年12月1日から2021年1月10日にかけて、鉄道28社局は国土交通省の後援と関東鉄道協会の協賛を受け「プラットホーム事故0運動」を実施している。

プラットホーム(以下ホーム)で起こるさまざまなトラブルと、トラブル時のリスクについて、JR東日本鉄道事業本部安全企画部安全システムグループの松村明彦課長に話を聞いた。

ATC区間なら列車はすぐに止まる

――プラットホーム事故0運動が目指すものは何ですか。

ホームからの転落の防止に主眼を置いています。転落がないことが望ましいですが、万が一転落しても列車と接触しなければ重大事故は避けられますので、そのためにホーム上に設置された非常停止ボタンを活用していただきたいという思いがあります。

――ホームから転落した人を見てほかの乗客が非常停止ボタンを押した場合、どのようなプロセス・時間で列車が止まるのですか。

山手線、京浜東北線などのATC(自動列車制御装置)で制御されている区間では、非常停止ボタンを押せば、その直後に自動的にブレーキがかかります。列車がホームから距離があれば、ホームに着くまでに停止します。

ATCで制御されている区間以外の線区については運転士が直接ブレーキを操作します。この場合は非常停止ボタンを押した瞬間に、ホームに設置された赤いランプが点灯します。それを運転士が目視して、非常ブレーキをかけます。駅から離れた位置でもランプは見えるので「あっ」と思って即ブレーキです。タイムラグはほぼありません。

――列車がもうホームに入っているくらいでなければ、間に合うのですね。

間に合います。危険だと思ったら、すぐに非常ボタンを押してください。

――非常停止ボタンを押すと、ものすごく大きな音が鳴ったりするのですか。何が起こるのかわからないと、怖くて押せない場合もあると思うのです。

押すとブザーのようなビープ音が「ブー」と鳴ります。大きな音ですが、ものすごい大音量ではないと思います。

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