元宝塚トップが語る「威厳より共感」の後輩指導 紅ゆずるさんが体育会系の星組を導いた足跡

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彼女がトップ娘役に決定したときに、「これからの私たちは上級生下級生ではない。お互いが対等に意見を交換できるパートナーとしてやりたい」と伝えました。私がこうしてほしいと言ったから「こうしました」では駄目だということも伝え、最初は彼女もどうしたらいいか悩んだと思いますが、彼女も私の思いを汲み取ってくれたこともあり、1作品ごとにお互いの距離も縮まって、最後には私たちの中で揺るがない絆が生まれました。

これは私だけではどうにかなるわけでもない、お互いの努力あって生まれたもの。一生の宝物です!

お互いの目を見れば「気持ち」がわかるように

──いい舞台を作るには信頼感が何よりも大事なのかな、と思います。

:そうですね。舞台は普段の姿が全部出てしまうところなので。ウソがつけない場所です。ショーなら目線1つで関係性が透けて見えるし、パレードになったら組全体のムードが露わになってしまう。とくに、トップコンビの関係性は組の雰囲気に大きく影響すると思っています。だから、少し時間が空いたときには彼女(綺咲さん)とご飯に行ったりしてコミュニケーションをとりました。

稽古場でも“仕事”というより、2人の時間を共有しているような感じ。これは私1人でできたことではなく、彼女も報いようと努力してくれたことも大きかったと思います。

あとはお互いの愚痴をほかの人に言わないこと。これは周りの人は関係なくて、私たち2人の問題だからです。そりゃ、長い時間一緒にいれば色々思うことも多少なりとも出てきます。それを周りの人から、お互いの話を聞いたら面白くないなんてものじゃないし、プラスに働くことなど何1つありません。なので、私たちは毎日ミーティングをして、お互いが思ったほんの些細なことでもいいので意見交換するようにしたんです。

綺咲さんにもらったという星モチーフのイヤリングを付けて(写真:Domani編集部)

すると、舞台上などでも会話をしていないのに、お互いの目を見れば、自ずとお互いの気持ちがわかるようにさえなってきました。彼女が私の相手役であったことを心から感謝しています。そして今でも、彼女以外の相手役は考えられないですね(笑)。

そうそう、これ(イヤリング)、誕生日にあーちゃんにもらったんですよ。絶対に星モチーフのものを、と思ってくれたみたいで。会うたびにいろんなものをプレゼントしてくれて、もうねー、かわいい(笑)!! このピンクゴールドは今までだったら絶対に選ばないものなのですが、女性らしく見えるこれが似合いますよって。これから女優としてやっていく私が柔らかく見えるようにと選んでくれたらしく、うれしいですね。

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