常に「思い通りになる人」に共通する思考のクセ 思い込みが確信になるのはメカニズムがある

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全世界に「人類には1マイル4分を切るのは不可能」という思い込みが出来上がっていた中で、バニスターはなぜ4分を切ることができたのか? さらには、バニスターが4分の壁を破った後、なぜたった1年のうちに23人もが4分の壁を破ることができたのか?

それも、この思い込みが作られるメカニズムで分析することができます。まずバニスターが最初に行ったのが、②「考え方」を変えることでした。「4分の壁を破る」という考え方から「16分の1秒ずつ更新することならできるのではないか?」という考え方に変えました。

このことで③「視点」が変わります。「16分の1秒だけタイムを縮めるのであれば、何をしたらいいのだろうか? 何ができるのだろうか? どんなことを心がける必要があるのか?」という視点で世の中を見始めます。
すると「何かできるんじゃないか?」「おお! これくらいならできる!」という④「感情・思考」が生まれます。

そして、その感情にふさわしい練習や試合当日に向けての準備、過ごし方などの⑤「行動」をする。やがて、⑥「結果」として16分の1秒だけでも縮まると「やっぱり縮まるんだ!」「不可能ではないんだ!」と、考え方が⑦「強化」される。

現実を変える根本には「考え方」がある

そうなると、「さらに何ができるか?」と行動する。やっぱりできた! こうして「できるという思い込み」が形作られ、そのいい思い込みが確信になるわけです。このようにバニスターが1マイル4分の壁を破ることで、他のアスリートは「1マイル4分を実際に破る選手が現れた」という①「体験」をします。

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この体験により、「あれ? 1マイル4分って実は破れるんだ」という②「考え方」が生まれ、「そのためには何をすればいいのだろう?」という③「視点」に切り替わります。そして「できるかもしれないぜ!」という④「感情・思考」にふさわしい⑤「行動」をすることにより、今までと違う⑥「結果」が生まれることになったわけです。

何かを実現させようとした時、今の現実を変えようと思った時、その根本は「考え方」にあるわけです。「考え方」といっても、それは単純な精神論としてではなく、人間のメカニズムの一部であるということがおわかりになったと思います。

考え方から端を発して生まれた「いい思い込み」がさらに考え方を強化することで、結果も変わるのです。

星 渉 著作家、経営コンサルタント

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ほし わたる / Wataru Hoshi

著書累計7冊45万部。株式会社Rising Star代表取締役。1983年仙台市生まれ。大手企業で働いていたが、東日本大震災に岩手県で被災。生死を問われる経験を経て「もう自分の人生の時間はすべて好きなことに費やす」と決め、2011年に独立起業し、心理療法やNLP、認知心理学、脳科学を学び始める。それが原点となり、個人の起業家を対象に「心を科学的に鍛える」を中心に置いた独自のビジネス手法を構築。『神メンタル』『神トーーク』(ともにKADOKAWA)は25万部突破のベストセラーに。

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