常に「思い通りになる人」に共通する思考のクセ 思い込みが確信になるのはメカニズムがある

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

では、思い込み=確信とはどのように作られるのか? そのメカニズムを解明していきます。

① 体験:私たちは日常でさまざまな出来事を「体験」します。バニスターの話でいえば、バニスターが「アスリートとして1マイル4分の壁に挑戦はするものの、やはりなかなか記録を更新することができない」という体験です。

②考え方:さまざまなことを「体験」することによって、「これはこういうものなんだ」という考え方が生まれます。たとえば、何かをして怒られたとしたら、「これはやってはいけないことなんだ」という考え方が生まれる。

何かをして人に喜ばれたら、「これは喜ばれることなんだ」という考え方が生まれる。私たちは体験を通して何百、何千、何万という考え方、思考を自分の中に作り出しています。

バニスターの話でいえば、「やっぱり4分の壁を破ることはできなかった」という体験から、「1マイル4分の壁を破るのは難しい」という考え方が生まれました。

③視点:体験により「◯◯とはこういうものだ」という無数の考え方が生まれると、私たちはこの考え方に基づいて世の中を見ます。そして「そんな自分の考え方が正しい」と裏付ける情報ばかりを探すようになります。

「1マイル4分の壁を破るのは難しい」という考え方から世の中をそういう視点で見るようになると、「あの人も更新できなかった」「今回もダメだった」と、できない情報ばかりを集めるようになります。

④感情・思考:そして今度は、自分の視点にふさわしい感情や思考が生まれます。「あぁ、やっぱり無理なのかなぁ……」「難しいよね……」「どうせ無理だよね……」といった感じです。

①~⑦で考え方が何回も強化される

⑤行動:生まれた感情や思考にふさわしい行動をします。1マイル走の例でいえば、練習方法や練習量、日常の過ごし方にも影響が出るということです。「難しいよね」「どうせ無理だよね」という感情・思考での行動で練習しても、1マイル4分の壁を越えられるわけがありません。

⑥結果:行動にふさわしい結果が出ます。「1マイル4分を切れない」という結果です。

⑦強化:「1マイル4分を切るのは難しい」という考え方を持ち、視点、感情・思考が生まれ、行動をする。そして「4分を切れなかった」という結果が生まれると、その後は「やっぱり自分の考え方は正しい」と、考え方が〝強化〞されます。

この①〜⑦の一連の流れを繰り返すことで、どんどん「1マイル4分を切るのは難しい」という考え方が何回も何回も強化されてしまう……確信になってしまうわけです。これが「思い込み」のメカニズムです。

次ページ思考が現実化する本当の理由とは
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事