みずほ銀行が覚悟する融資要請の“第2波" コロナ禍の企業ニーズにどこまで応えられるか
私自身もトップ対話を増やしている。電話やメールも含めて、平時の2倍くらいの接点を持った。トップの人は経営課題を考える際、社員に相談できず、孤独だ。そこで銀行(の首脳)が相談にのる。
共通して顧客が言うのは、「潜在的な課題が顕在化した」ということ。課題解決に当たり、銀行、信託、証券をはじめ、さまざまな機能を持っているグループ力の見せどころだ。
――そうなると、銀行同士の差別化も進みますね。
特にメガバンクは、日本全国、世界にネットワークがあり、顧客同士をつなぐところに大きなアドバンテージを持っている。中堅中小やスタートアップにも顧客基盤を持っている。ここでいかに「つなぐ役割」を果たせるかが重要だ。
――この半年で感じた変化はありますか?
(われわれが)メインバンクでない企業から相談を受けるケースが増えた。官民を挙げた支援でお金の出し手はたくさんあっても、知恵の出し手は多くない。「次世代金融」という言葉を掲げているが、産業調査部なども含め、非金融分野にも活躍のフィールドは広がりつつある。
みずほにとっての「次世代金融」
――「次世代金融」のイメージは人によって異なるようにも思えます。みずほ自身が考える、次世代金融とはどんな姿でしょうか。
一言でいえば、課題解決業だ。
金融に限らず、顧客の課題を解決する。その解決の手段として金融を持っているイメージだ。
日本は課題先進国。このビジネスモデルを国内で確立できれば、後々、海外でも展開できるはずだ。
――それはコンサル業に近いイメージですか?
コンセプトを作る仕事ではなくて、お客様にアクションプランまで含めて提案し、現場の実践まで寄り添う。金融という手段での実践もできる。
そのためには、外部との連携も欠かせない。みずほは、「オープン&コネクト」と掲げている。すでにLINE銀行やソフトバンクとの連携のような施策もあり、これを増やしていくことも重要だ。
――現在の外部連携はすべて金融につながるサービスです。非金融分野の連携やサービスも出てくるのでしょうか。
連携するときには互いに強みがないといけない。今、みずほが提供できるのは金融プラットフォームになる。
ただ、今年11月に「Mi-Pot」というサービスを始めた。データを法人に提供するビジネスだが、これは銀行法改正で可能になったビジネスだ。規制緩和で、銀行グループとしてできることも広がっていく。非金融の領域もこれから広がってくる。
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