
いわなが・しょういち 1965年生まれ。89年明治大学卒業、大和銀行(現りそな銀行)入行。2018年りそなホールディングス取締役兼代表執行役。20年4月から現職。(撮影:風間仁一郎)
コロナ禍で資金繰り支援に奔走した銀行業界。収束が見えない中、追加の資金支援や資金以外の顧客サポートが求められている。今後、銀行はどのように支援を進めていくのか。個人や中小企業を中心にビジネスを展開するりそな銀行の岩永省一社長に支援の方向性を聞いた。
新型コロナ関連のりそなの融資額
感染拡大以降、企業の資金繰り悪化に銀行界全体で対応。政府による支援もあり、倒産が拡大する事態を防いだ。
──足元のコロナ融資の状況は。
2020年の秋ごろに一度収まりかけたが、21年に入ってまた増えている。期間が長引いていることから念のため資金を調達しておこうという企業は依然として多い。
りそな銀行に対する相談は3万1000件。融資額でいうと2兆4000億円に上る。顧客の70%程度が資金の手当てを行っている。
銀行全体の融資残高は落ち着いたように見えるかもしれないが、それは大企業が返済をしているから。中小企業、とくにサービス業では引き続き資金が必要な状況となっている。
──銀行も無尽蔵に融資を続けられるわけではありません。
後ろ向きな理由の資金需要に対して、どこまで貸すのか、どこまで借りるのかというところは顧客と相談していかなければならない。
21年度以降、銀行によってスタンスが変わってくるだろう。企業の選別も始まるのではないか。相変わらず資金需要に応える銀行もあれば、今後ビジネスをどうしていくかの提案が中心になる銀行も出てくる。地域性や持っている機能によって差が出てくる。
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