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「日欧豪3極一体の強みで『スーパードライ』を伸ばす」 勝木敦志 アサヒグループホールディングス 社長兼CEO

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かつき・あつし 1960年生まれ。青山学院大学経営学部卒業。84年ニッカウヰスキー入社。2002年現アサヒグループHDに転籍。豪州事業CEO、専務兼CFOなどを経て21年3月25日に代表取締役社長兼CEO就任。(撮影:梅谷秀司)
国内ビール市場で長年シェア1位だったアサヒグループホールディングス(HD)。近年は総額2兆円超とM&A(合併・買収)を重ね海外展開を加速してきた。だが、飲食店向けの業務用ビールを中心にコロナ禍が痛撃。国内トップの座からも陥落したとみられる。3月25日に就任した勝木敦志新社長は、同社をどう舵取りしていくのか。

事業利益に占める海外事業の割合

海外事業の事業利益は、2020年12月期に941億円と全事業利益の約5割を占める。21年12月期は1486億円と約6割になる予想だ。

──新社長としての目標や取り組むべき課題は何ですか。

目標は日本、欧州、豪州の3極トータルでの成長だ。海外で買収した企業を中心に、これまでは各地域が個別に成長を追いかけていた。だが、各地域でのベストプラクティスを共有し、3極一体となり大きくなっていくステージに入っている。

価格設定などを工夫して売り上げと利益を最大化する収益管理手法は、ポーランドに成功事例がある。ブランド展開では、豪州がかつての「スーパードライ」と同じ成功を収めている。それらベストプラクティスを活用するために、3極間での人材交流を進める。加えて、原料調達一本化の範囲を麦芽やホップ以外に広げたり、生産技術を共有したりもしていく。

一方で課題は、日本の酒類の立て直しだ。新型コロナウイルスの感染が拡大した2020年は、業界全体と比べて劣勢だった。「スーパードライ」の販売数量は飲食店向けなどの業務用が前年比4割減と惨憺(さんたん)たるものに。家庭用も打撃を受けた。「スーパードライ」缶の販売数量は20年、前年比で5%減った。同製品の販売数量の8%は、帰省や海水浴、花火大会といった「ハレの日」での消費。これがコロナ禍で消えたことが影響した。

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