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「地域の得意客が株主に、そんな書店を一緒に築く」 佐藤協治 文教堂グループホールディングス 社長

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さとう・きょうじ 1966年生まれ。88年本の店岩本入社、2000年に同社販売部門の譲渡先・文教堂に入社。07年執行役員店舗開発部長、17年常務取締役事業管理本部長などを経て18年11月から現職。(撮影:梅谷秀司)
2018年8月期に債務超過に陥った書店チェーン大手の文教堂グループホールディングスが息を吹き返した。事業再生ADR(裁判外紛争解決手続き)が19年9月に成立。債務の株式化や増資、創業家の一掃、不採算店の大量閉鎖、人事制度改革などを断行、20年8月期に念願の営業黒字へ転換した。書店再生劇の舞台裏を佐藤協治社長に聞いた。

再建初年度に不採算により閉鎖した店数

創業家時代には閉店はタブー視されていたが、店舗運営コストの削減は必須で、収益が見込めない店舗は大胆に閉鎖した。

──債務超過になった年(18年)の11月に社長へ就任。火中の栗を拾うことになった当時の心境は。

金融機関との信頼関係が崩れ始めた時期。要求されていたのは財務体質の改善と会社を一からつくり直すこと。正直、放っておくと会社はダメになる状況だった。

本来であれば創業家が立て直すのだろうとの思いはあったが、金融機関から否定された。大株主の日本出版販売さん、大日本印刷さんも後方支援はするが、(新社長は)当社でどうにかしなさいと。

逃げてしまえば終わり。2500名の従業員を路頭に迷わすことはできない。当時財務担当だった私が引き受けることにした。

──動揺する全社員にどんな言葉を伝えましたか。

私は文教堂に20年いるが、この会社の弱点は常々感じていた。全社員に対してオープンな環境ではなかった。原因ははっきりわかっていたので、今どんな状況にあるか、どのような組織につくり直すか、最初にメッセージを出した。

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