「バイデン次期政権」の閣僚がやたら地味なワケ 「派手目な政治家」は、たった1人しかいない?

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極端な話、民主党が議会選挙でも大勝ちして「トリプル・ブルー」になっていた場合、バイデンさんは党内の突き上げをくらって、どうにも身動きが取れなくなっていたかもしれない。それよりは今の状況のほうがよっぽどやりやすい。アナログ世代の高齢者を侮るなかれ。今の民主党にとっては、バイデンさんこそが頼りなのである。

いよいよ11月30日以降は経済閣僚も発表になる。目玉はジャネット・イエレン財務長官ということになるだろう。学者出身で金融政策ではハト派のイエレンさんは、党内左派に受けがいい。FRB(米連邦準備制度理事会)議長として議会承認を受けているので、上院もスムーズに通るだろう。ちょっと心配なのは、あまりにも「いい人」過ぎて、議会工作やG20の差配ができるのかということ。バイデン政権ではこんな風に、引き続き針の穴を通すような人事が続くことだろう。

もっとも株式市場はこの状況を好感し、遠慮なく盛大に上げている。バイデン政権は意外とビジネス・フレンドリーなようだし、増税は議会が止めてくれそうだし、何よりトランプ政権の不透明性が消えたことがありがたい。「トランプさんのツイートをチェックする」、という毎朝の習慣が不要になって、ホッとしている市場関係者は少なくないだろう。

そのトランプさんは「敗北を認めない」と言いつつも、政権移行手続きは容認し始めた。これも感謝祭がひとつの節目となるだろう。すでにクリスマス商戦も始まっている。来年に向けて、アメリカ社会の雰囲気は確実に変化していくはずだ。

結局、トランプさんから離れられない・・・

少し想像力をたくましくして、「前大統領となったトランプさん」が何をするのかを考えてみよう。多くの訴訟案件を抱えているし、意外と借金も多いと聞く。しかもコロナ下の不動産業は難問山積だ。少なくともホテルやゴルフ場経営にとっては逆風であろう。

だったら、このまま政界に居続けるほうが理にかなっている。今回の選挙では1億5000万票以上が投じられ、バイデンさんとの差は600万票程度だった。前回の2016年選挙に比べても、1000万票程度上積みしている。その結果、議会選挙では共和党が予想外の善戦をした。上院の議席は今のところわずかに1議席減、逆に下院では10議席以上増える見込みである。

危ういところを救われた議員さんたちは、「トランプさん、ありがとう」であろう。特に下院は2年後にすぐ次の選挙がやってくる。彼らは「次もよろしくお願いします」と頼ってくるはずだ。かくしてトランプ前大統領の影響力は残る。

いっそのこと「トランプ・チャンネル」を開業し、バイデン政権や民主党の悪口を言い続けるのはどうだろう。ニーズはありそうだし、お金にもなりそうだ。安倍晋三前首相をゲストに招いてゴルフ対談、なんて企画はどうだろう。これは呼ばれた安倍さんが悩みそうだ。

そのうえで、次の2024年選挙にトランプ御大が「出る」と言い出したら、共和党内からは対抗馬が出にくいだろう。マイク・ペンス副大統領やマイク・ポンペオ国務長官なども、自分が出たいとは言えないのではないか。

いやはや、本当にそうなりそうで、だんだん怖くなってきた。結論として、トランプ劇場は終わりそうにない。結局ツイッターのフォローは、今しばらく続けたほうがいいのではないだろうか(本編はここで終了です。次ページは競馬好きの筆者が週末のレース予想をするコーナーです。あらかじめご了承ください)。

次ページさて競馬コーナー。「空前絶後のジャパンカップ」の勝ち馬は?
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