女性の広い支持、個性派女優「伊藤沙莉」の素顔 9歳でデビュー、映画やドラマに引っ張りだこ

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樋口:旦那さんの内田裕也さんは破天荒で、樹木さんの人生も波乱万丈のものに巻き込まれていきました。俳優としての裕也さんは、わがままで自分本位な役をやらせたら日本一で。こんな風に生きられたら、って僕の憧れでもあります。今の時代では許されないでしょうけど。

伊藤:あの2人だからこそカッコいいんですよね。

樋口:もし裕也さんと結婚したら、あれだけの女優人生が約束されるとしたらどうします? 自ら重荷を背負ってそれを背中に反映させるという。

伊藤:アハハハ!! 私はプライベートで悩みがあると仕事にも影響しちゃうタイプなので、うまくいかないんじゃないかな。離婚するか仕事やめるか、どっちかやめちゃうかも。

離婚するか仕事やめるか、どっちかやめちゃうかも(写真:内田裕介)

樋口:俳優は辞めないでくださいよ! 映画界に大きな損失をもたらしますから。

伊藤:ありがたいお言葉ですが、多分そうならないと思うので大丈夫ですよ(笑)。それぐらい惚れられる男性がいたら、それはそれで素敵だと思いますけどね。なかなかいないですよ(笑)。

業界に関係ない友達に気づかされることが多い(伊藤)

樋口:11月13日公開の映画『タイトル、拒絶』でも、体当たりの演技をされていますね。世界観に溶け込む力が優れていて、伊藤さんの演技を見ていると、初めからその役の人生を生きていて、観客がその人生の一場面を覗いているという感じがするんです。

伊藤:それはものすごくうれしいですね。映画やドラマではワンシーンしか見せないですが、本当ならば登場人物の人生は、そのシーンの前にも後にも続いているはず。見ている観客が、その人物の過去や未来が気になるようじゃないとダメだなと思って演じています。

樋口:本当にそのとおりですね。優れた作品というのは見終わった後も「あの人たち、どうなったのかな?」って考えさせる力をもっている。それを思うようになったのはいつからですか?

伊藤:高校生の頃に、地元の友達が「この俳優の演技は好きじゃない。ドラマを見ているんだっていう現実に引き戻される」と言っていてハッとさせられて。全然業界に関係のない友達は素直な意見を言ってくれるので、実は気づかされることが多いですね。

樋口:はあ~、なるほど。

伊藤:観客は出ている人たちの人生を覗き見しているぐらいの方が、感情移入できるし、一緒にハラハラできて楽しいじゃないですか。友達はそれを奪われて怒ったんだなって。それから、その部分が演技の軸になりました。

樋口:やっぱり観察力がハンパないです。すごい地頭のよさを感じます。自分の中の哲学があって、日々更新もちゃんとしている。まさに、ナチュラルボーンアクトレスですね! 

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