2030年代に「開業しそう」な首都圏新路線の現状 羽田アクセス線、大江戸線、多摩モノレール

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東山手ルートが開業すれば、東京―羽田空港間の所要時間は約18分となる予定で、現状よりも10分程度短縮される。また、西山手ルートでは新宿―羽田空港間が約23分、臨海部ルートでは、新木場―羽田空港間が約20分と、いずれも20分程度の短縮が見込まれ、効果が大きい。臨海部ルートは、りんかい線の車両基地が東京貨物ターミナルに隣接している都合で、単線でよければ軽微な工事で開業できるが、西山手ルートでは東京貨物ターミナルから西側にトンネルを新設する必要があるため、仮に建設が決まったとしても開業はさらに先となり、3つのルートがすべて開業するのは早くても2030年代となるだろうか。

設計が始まった多摩モノレールの箱根ヶ崎延伸

多摩モノレールでは、町田・八王子などの延伸構想があり、このうち箱根ヶ崎への延伸として東京都が2020年度に現況調査や基本設計に着手、東京都建設局に1億円の予算が計上された。

多摩モノレールの終着駅、上北台。近い将来、ここから箱根ヶ崎方面に延伸される(2020年4月筆者撮影)

モノレールは道路の上を走っているが、箱根ヶ崎への延伸部では新青梅街道という道路の上を通る。新青梅街道では道路を拡張してモノレールの受け入れに備え、道路の拡張にメドが立ったことで、晴れて延伸となる。

多摩モノレールの箱根ヶ崎延伸では、延長は7.0km、総事業費は約800億円とされているが、基本設計が進むと数字が変わるのかもしれない。新青梅街道を通るという大まかなルートはわかるものの、具体的な駅の数はまったくの未定で、これから設計となる。基本設計が進めば、駅の位置や開業時期も明らかになるだろう。

沿線となる武蔵村山市は、東京都内26市のなかで唯一、鉄道の駅がなく、多摩モノレールの延伸でようやく鉄道の空白地帯が解消される。現状の公共交通機関ではバスが主力だが、道路事情の問題で定時性に難点があり、多摩モノレールが開業すれば、立川方面をはじめとする各地へのアクセスが相当改善される。多摩モノレールが箱根ヶ崎まで延伸されると、立川北―箱根ヶ崎間の所要時間は30分あまりと予想され、JRの青梅線・八高線経由よりも若干遅いが、モノレールでは列車本数が充実して利便性が格段に増すことは間違いない。

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