北朝鮮、「拉致被害者再調査」の”茶番” 日本のメディアの報道から抜け落ちていること
スウェーデンでの3日間に及ぶ日朝外務省局長級協議を踏まえ、北朝鮮が日本人拉致被害者についての再調査を実施することを表明した。日本もこの再調査の進展次第で、北朝鮮に対する独自の経済制裁の一部緩和を実施することを表明した。
今回の日朝合意は、2008年6、8月の日朝実務者協議の合意に沿ったものだ。6年前の振り出しに戻ったとみていい。北朝鮮は同年6月の日朝実務者協議で、人的往来を認めることや人道目的での北朝鮮船舶の入港禁止解除の検討などを条件に再調査に同意していた。同年8月の協議では再調査委員会を設置して秋の間に調査を終えることでも合意した。しかし、同年9月に当時の福田康夫首相が退陣表明すると、委員会の設置を先送りした。
この6年前の日朝協議同様、今回、合意に至った背景としては、北朝鮮が「拉致問題は解決済み」との従来スタンスを変えて柔軟姿勢を見せたことが大きい。
では、なぜ今回、北朝鮮が柔軟姿勢を見せて拉致被害者の再調査の同意に至ったのか。なぜ日本との交渉に前向きになったのか。
「血の盟友」中国が韓国に接近
その理由には、北朝鮮とともに朝鮮戦争で一緒に戦い、「血の盟友」と言われ続けてきた中国が昨年以来、韓国に急激に接近していることが挙げられる。
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