カマラ・ハリスをインド系女性が誇りに思う訳 「神の名」を冠する彼女の偉業が希望を与える

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そして、お茶目にこう付け加えた。

「私がなぜこんなにも誇らしいかって、彼女の母親が私の家族と同じタミル・ナドゥ州からの移民であるということだけでなくて、私と同じく大好物がイドリ(インド風蒸しパン)だって聞いたからよ!」

幼い頃のサシバイさん(写真中央)。ハリス氏と同じくインド南部のタミル・ナドゥ州からの移民家庭に生まれた。マレーシアにおける少数派インド系移民としての苦労を振り返り、ハリス氏に自身の思いを重ねる(写真:サシバイさん提供)

世界の女性たちの喜びは、インドをさらに大きくくくった“南アジア”にまで及んだ。ミャンマーのヤンゴンに暮らすフニンさんも、ハリス氏当選の喜びをFacebook上でシェアし、「南アジア出身の女性が快挙!」と喜びをあらわにしている。折しもミャンマーでは、任期満了に伴う総選挙の投票が8日行われ、民主化の象徴として依然高い人気を誇るアウン・サン・スー・チー国家顧問率いる与党・国民民主連盟(NLD)が過半数の議席獲得を決めた。

半世紀以上に及んだ国軍主導体制から脱却し、歴史的な政権交代を実現した前回総選挙に続く圧勝で、スー・チー政権は2期目に入ることとなったが、ガラスの天井を打ち破る強い女性像に、南アジアの女性がアメリカというまったく別の国ながらも、同じ“南アジアの血”を引く女性が世界で活躍していく様子は、言葉に尽くせぬ勇気を与えることとなったようだ。

世界各地の若き女性たちの期待と希望の目が注がれる

アメリカという世界の大国における、黒人、そして南アジア系の「マイノリティー」そして「女性」という2つのキーワードで一挙に注目を浴びることとなったハリス氏。

今後、実際の政策面でどれほどの手腕を発揮できるか――「これが最後ではない。今夜、これを見ているあらゆる小さな女の子たちが、可能性のある国であることを知ったのです」というハリス氏自身の言葉に、アメリカをはるかに超えて、世界各地の若き女性たちの期待と希望の目が注がれている。

海野 麻実 記者、映像ディレクター

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うんの あさみ / Asami Unno

東京都出身。2003年慶應義塾大学卒、国際ジャーナリズム専攻。”ニュースの国際流通の規定要因分析”等を手掛ける。卒業後、民放テレビ局入社。報道局社会部記者を経たのち、報道情報番組などでディレクターを務める。福島第一原発作業員を長期取材した、FNSドキュメンタリー大賞ノミネート作品『1F作業員~福島第一原発を追った900日』を制作。退社後は、東洋経済オンラインやYahoo!Japan、Forbesなどの他、NHK Worldなど複数の媒体で、執筆、動画制作を行う。取材テーマは、主に国際情勢を中心に、難民・移民政策、テロ対策、民族・宗教問題、エネルギー関連など。現在は東南アジアを拠点に海外でルポ取材を続け、撮影、編集まで手掛ける。取材や旅行で訪れた国はヨーロッパ、中東、アフリカ、南米など約40カ国。

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