カマラ・ハリスをインド系女性が誇りに思う訳

「神の名」を冠する彼女の偉業が希望を与える

アメリカの次期副大統領への就任が確実となったカマラ・ハリス氏(写真右)と夫のダグラス・エムホフ氏(写真:アメリカ・ウィスコンシン州ミルウォーキーで8月撮影、ロイター/Kevin Lamarque)

今回のアメリカ大統領選で副大統領当選を確実にした、カマラ・ハリス氏(Kamala Harris、56歳)。彼女のフルネームについてはあまり注目されていないが、実はインドの神様の名前が2つ含まれている。

ヒンドゥー教の女神の名前を持つハリス氏

カマラ・デビ・ハリス。

ヒンドゥー教徒の女性に多い伝統的な名前で、日本名ではさながら、幸子、または恵、などだろうか。「カマラ(Kamala)」は、インドの言葉で蓮の花を意味し、ヒンドゥー教の女神ラクシュミーの別名としても知られる。「デビ」は古代インドで用いられたサンスクリット語で、こちらも同じく女神の意味を持つ壮大な言葉である。村に豊作や雨の恵みなどの繁栄をもたらす天使の使いというような意味合いをも持ち、ヒンドゥー教の聖なる母、偉大なる母を象徴するとされている。

そして、その言葉のとおり、カマラ・デビ・ハリス氏は、彼女の祖先が暮らしてきたインドの小さな村に、大きな恵みと祝いをもたらすこととなった。彼女の副大統領当選でお祭り騒ぎとなっているのが、インド南部タミル・ナドゥ州にある小さな村、スラセンドラプランだ。

祖父P.V.ゴパラン氏の故郷であるこの村には今、ハリス氏の顔写真を掲げたポスターがあちらこちらに貼られ、寺院では祈りが捧げられ、盛大に爆竹が鳴り響いている。さらに、米粉と豆を挽いた粉をこねてふかしたイドリと呼ばれるインド風蒸しパンや、ダル豆とオクラ、ナス、カボチャなどをターメリックやクミンなど大量のスパイスとともに煮込んだサンバールと呼ばれる南インド伝統のカレーが無料で振る舞われるなど、祝賀ムードは高まるばかりだ。

「ランゴリ(地域によって呼称はコラム)」と呼ばれる砂絵も特別にハリス氏仕様で準備された。これは、ヒンドゥー教の女神であるラクシュミーを家に招き入れるため、玄関先などを綺麗に飾り付ける芸術作品のようなもので、鮮やかに色付けられた米粉や小麦粉などが緻密に散りばめられたランゴリの出来栄えは圧巻だ。

この伝統的な砂絵で、村の女性たちは「おめでとう、カマラ・ハリス。あなたはこの村の誇り。“Vanakkam America”」という文字を描いて、祝福の気持ちを表現した。ちなみに“Vanakkam”とは、日本でもよく知られる“ナマステ”と同義で、「歓迎」を意味するタミル語だ。

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