東急池上線、大都会に珍しい「人情路線」の素顔 リニューアルした駅舎と昔ながらの風情が共存

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五反田―蒲田間を結んでいる池上線の沿線は、旗の台駅までが品川区で長原―蒲田間は大田区に位置する。最初にも書いたとおり、沿線のほとんどが東京城南の住宅地。車窓からはほとんど隙間なく戸建てやマンション、アパートが連なっている様子が見える。

駅前の商店街が有名な戸越銀座駅(筆者撮影)

そして特徴的なのは、大半の駅前にきまって商店街があるということ。駅間距離が1kmにも満たないのに、各駅ごとに商店街があって生活圏が構築され、似てはいるけど個性的な町が形作られている。

「本当に池上線には商店街がよくあるんです。旗の台、石川台、雪が谷大塚にもありますが、やはり一番有名なのは戸越銀座。私もよく歩くんですけど、とても長いですから巡回の合間ではなかなかくまなく歩くことはできないですね(笑)。ちょうど真ん中には銭湯があって、一度行きたいなあと思っているんですけど」(所駅長)

老若男女が住みやすい沿線

御嶽山―蒲田間にももちろん商店街は多い。

「池上駅はもちろんですが、蒲田や御嶽山にもありますね。池上はくず餅が有名で、いくつかお店があるんですけど全部味が違うんです。7月に池上駅がリニューアルしたときに、全部買ってきて食べ比べをしたら味も違うし硬さも違うし、それぞれ個性を出しているんだなあと」(曽我駅長)

と、このように庶民的な商店街が多い池上線の駅前風景。これはすなわち“住みやすさ”にもつながっていることは間違いない。

「沿線にお住まいの方はほんとうに老若男女さまざま。お年寄りの方もいらっしゃいますし、大学など教育機関もあるので若い方もたくさんお住まいです」(所駅長)

東急電鉄の調べによると、近年池上線沿線には単身女性が増えているという。理由は定かではないが、庶民的な商店街がどの町にもあって治安がよく、それでいて都内にしては比較的家賃などが安いからではなかろうか。

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