「e SKYACTIV-X」試作車に見たマツダの環境戦略 カーボンニュートラル時代への変革が始まった

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また、菅義偉総理大臣が、10月26日に開幕した臨時国会の所信表明演説で、「2050年までに全体としてカーボンニュートラルを実現する」と宣言。10月27日には、中国工業情報化省が「2035年までにクルマの電動化を実現する」ための工程表を発表した。特に中国の発表は、センセーショナルな見出しのニュースを目にした人も多いだろう。

マツダのブランド戦略は「燃焼を極め続けること」

こうした中、マツダはMAZDA3、CX-30に続くマツダ新世代商品群の第3弾として、「MX-30」を2020年10月に日本国内で発売した。

2.0リッターのガソリンエンジン「SKYACTIV-G」に「M HYBRID」と呼ぶ24Vマイルドハイブリッドシステムを組み合わせた「e SKYACTIV-G」を搭載するコンパクトSUVだ。MX-30は、ヨーロッパでEVバージョンが先行販売されており、2021年1月からは日本市場にも導入する予定となっている。

マツダ新世代商品群の第3弾として発表された「MX-30」(写真:マツダ)

このMX-30の記者発表会は、10月上旬にオンラインで行われた。その中で、丸本明社長は筆者の質問に答える形で「国や地域での発電構成や発電能力を踏まえて、お客様のニーズを考慮していく。世の中が一気にすべてがEVになるのではなく、当面(さまざまなエンジンや電動化による)マルチソリューションを進める意識は変わっていない」と世界市場への対応を説明した。

さらに「(昨今の世界各地での)電動化の普及に対する急速な社会変化を捉えたうえで、(2030年を見据えた技術開発の長期ビジョンである)サスティナブルZoom-Zoom宣言2030を近い時期にアップデートして公表したい」と今後の方針についても明らかにした。今回のe SKYACTIV-X試乗会でのプレゼンテーションの中で、次のような表現があった。

「マツダは、理想の内燃機関の実現に向けて、技術を磨き上げていきます。今回は、SKYACTIV-Xの進化の第1弾です」

カーボンニュートラルに向けて、SKYACTIV-Xの進化を中心としたマツダのマルチソリューション戦略は、まだまだ始まったばかりなのだ。第2弾、第3弾も、きっとマツダらしい瞬発力や自在感を持つクルマになるだろう。

桃田 健史 ジャーナリスト

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ももた けんじ / Kenji Momota

桐蔭学園中学校・高等学校、東海大学工学部動力機械工学科卒業。
専門は世界自動車産業。その周辺分野として、エネルギー、IT、高齢化問題等をカバー。日米を拠点に各国で取材活動を続ける。一般誌、技術専門誌、各種自動車関連媒体等への執筆。インディカー、NASCAR等、レーシングドライバーとしての経歴を活かし、テレビのレース番組の解説担当。海外モーターショーなどテレビ解説。近年の取材対象は、先進国から新興国へのパラファイムシフト、EV等の車両電動化、そして情報通信のテレマティクス。

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