締め切り間近「年末調整」意外と知らない節税法 今年の改正点にも注意しよう
年末調整の中で最も大きな節税策となるのが、住宅ローン控除です。この控除は、1年目は年末調整ではなく、確定申告をする必要があります。年末調整を受けられるのは、2年目以降です。
なお、控除関係の証明書などを会社に提出し忘れたり、年末調整を受けられなかった場合には、確定申告でフォローすることができます。
今年の年末調整で変わったところは?
今年は、年末調整に関係する税制改正が大きく5つあります。新たに会社に提出する申告書としては、「基礎控除申告書」「所得金額調整控除申告書」がもうけられました。いずれも申告をしないと控除を受けられないので、漏らさず提出しましょう。
すべての人が対象になる基礎控除が10万円引き上げられ48万円になりました(減税)。ただし、合計所得が2400万円を超える人は、控除額が段階的に引き下げられ、2500万円を超えると0円になります(増税)。
給与所得を計算するときに年収から引くことのできる「給与所得控除」が一律10万円引き下げられました。年収850万円超の方は、給与所得控除額が195万円となります(増税)。
上記の改正(増税)にあわせて、年収850万円超の子育て世帯や特別障害者(本人・家族)のいる世帯の税負担を軽減するために「所得金額調整控除」がもうけられました。対象者と計算方法は下図のとおりで、給与所得の金額から引くことができます。
ご家族関係の控除の対象所得が、下図のように10万円引き上げられました。ただし、給与所得控除額も同額引き下げられため、対象にできる給与年収は昨年と同様です。具体的には、扶養控除と配偶者控除は給与年収が103万円以下、配偶者特別控除は103万円超201万5999円以下となります。
今年から、未婚の方も対象となる「寡婦、ひとり親控除」が新設されました。寡夫控除と特別の寡婦(35万円の控除)は廃止され、「ひとり親控除」に統合。なお、合計所得が500万円を超える方は今年から控除を受けられなくなるので注意しましょう。
確定申告とは、1年間に得た所得とそれに対応する税金などを計算し、申告書に記載して税務署に提出する手続きのことです。医療費控除や住宅ローン控除(1年目)などは年末調整では受けることができませんので、確定申告が必要になります。サラリーマン・OLの方の申告の要・不要は下図のようになります。
(構成:前窪明子)
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