大物芸人レベル「年の差婚」のリアルな発生確率 国の婚姻統計データからわかる結婚年齢の実態

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次にあくまでも50代男性の婚姻届に占める割合は僅少(2370件/34万件)である、という前提の下で、そのようなめったにない初婚での成婚を果たした50代男性のパートナーの年齢を見てみたいと思います。

10代0.3% 20代7.6% 30代27.4% 40代48.0% 50代15.9% 60代以上0.9%

となっており、40代の女性が半数を占めています。その次に多いのが30代の女性です。めったにないといえる50代初婚の男性の結婚でもあるためか、30代女性との結婚も3割程度発生していることが示されています。

50代男性×30代女性、初婚同士カップルの割合は

最後に、50代男性と30代女性の初婚同士の結婚の発生確率を計算しておきたいと思います。

先にも示しましたが、2018年に同居生活を開始し、婚姻届を同年内に出したカップルは33万9772件です。そのうち50代男性の提出した婚姻届は2370件、0.7%になります。

さらに、その中でパートナーが30代の女性である婚姻届は649件です。33万9772件のうちの649件になりますので、全体の0.2%、ということになります。

今回の大物お笑いタレントのような結婚は、実に成婚届の500件に1件、という発生確率となることが婚姻届分析からわかりました。

こういった統計的に見ると完全に「異常値」にあてはまる結婚であるからこそ、ニュースともなり、多くの人が注目し、印象に残る結婚となるのでしょう。裏を返せば、そもそもよく起こる発生確率の結婚であれば、ニュースには大きくは取り上げられない、ということも言えます。

「ニュースでよく見るようになったから増えたはず、一般的になったはず」といった解釈をする方が散見されますが、結婚に関しては「統計的異常値ほどニュースになりやすい」という点をくれぐれも見落とさないようにしたいものです。

ちなみに50代男性と50代女性同士の結婚は0.11%(1000件に1件)、20代女性との結婚は0.05%(2000件に1件)となっていますので、50代の男性が最も結婚しやすい女性の年齢は、48.0%と半数を占める40代女性との結婚になります。

天野 馨南子 ニッセイ基礎研究所 人口動態シニアリサーチャー

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あまの かなこ / Kanako Amano

東京大学経済学部卒。日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)。1995年日本生命保険相互会社入社、99年より同社シンクタンクに出向。専門分野は人口動態に関する社会の諸問題。総務省「令和7年国勢調査有識者会議」構成員等、政府・地方自治体・法人会等の人口関連施策アドバイザーを務める。エビデンスに基づく人口問題(少子化対策・地方創生・共同参画・ライフデザイン)講演実績多数。著書に『未婚化する日本』(白秋社・監修)、『データで読み解く「生涯独身」社会』(宝島社新書)等。

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