GoToトラベルの衝撃と「星野リゾート」の現状 「ワーケーション」での連泊利用が増えている

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PSIを利用する手順としては、まず、PSI専用アプリをダウンロードし、アプリ経由で予約する。チェックインはホテルエントランスのチェックイン機で行い、その際、ルームキーの形態として、アプリにルームキーをダウンロードする「スマートキー」か、従来型の「カードキー」のいずれかを選択する。スマートキーを選択すると、自分のスマホがそのままルームキーとして使えるようになる。

チェックアウト時はアプリに表示されるチェックアウトボタンを押すだけでよく、その他の操作は必要ない。さらに、「今後は顔認証によるチェックイン機能を導入するので、チェックイン機の画面にタッチする回数も、今より少なくて済むようになる」(プリンスホテルPSI事業部長の前田朋子氏)という。

PSI恵比寿のロビーを巡回する、監視と清掃を担うロボット(筆者撮影)

PSI恵比寿は、都内のホテルが苦しい状況でのスタートとなったが、「今のところGo Toを使ったお客様が中心で、ビジネスユースの連泊も多い」(前田氏)という。テレワーク需要を上手く取り込んだ格好だ。

同ホテルのADR(平均客室単価)1万円台という価格は、現在のビジネスホテル等、宿泊特化型ホテルの相場からすると必ずしも安くはないものの、AIアシスタントのAlexaを搭載したスマートスピーカーが各客室に設置されているなどの目新しさや、恵比寿駅近くという立地の良さ、さらに10泊すると1泊無料になるなどのお得感がテレワーク需要を呼び込んだのかもしれない。

自転車をテーマにした星野リゾートのホテル

次に紹介するのは、10月22日にグランドオープン(3月にソフトオープン)した星野リゾートの「BEB5土浦」だ。全長180kmに及ぶサイクリングロード「つくば霞ヶ浦りんりんロード」が近隣にある立地を生かした、自転車をテーマにしたホテルで、「ハマる輪泊(りんぱく)」を合言葉にしている。

早朝の霞ヶ浦に出かけるアクティビティ「朝焼け絶景サイクリング」は自転車初心者も楽しめる(筆者撮影)

BEB5土浦総支配人の宮越俊輔氏は、同ホテルについて、「コロナ下において、通勤に自転車を利用する人が増えるなど、3密回避の手段として自転車が注目されている。りんりんロードは全長180kmもあるので、宿泊すれば1日目は霞ヶ浦、2日目は筑波山へ自転車で出かけるといった楽しみ方もできる。また、自転車上級者だけでなく、今まで自転車に興味のなかったお客様が、手ぶらで来ても楽しめるサイクリングアクティビティなども用意している。気軽に自転車を楽しめるホテルにしたい」と話す。

現在、多くの宿泊業者が多かれ少なかれGo Toの恩恵を受けていると思われるが、問題は、いつかはキャンペーンが終わるということだ。正規の値段に戻ったときに、いかにして需要を維持するのか、早くも考えなければならない時期に来ている。PSI恵比寿、BEB5土浦ともに、テレワーク・ワーケーションでの連泊利用が多いというあたりに、そのヒントがありそうだ。

森川 天喜 旅行・鉄道作家、ジャーナリスト

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もりかわ あき / Aki Morikawa

現在、神奈川県観光協会理事、鎌倉ペンクラブ会員。旅行、鉄道、ホテル、都市開発など幅広いジャンルの取材記事を雑誌、オンライン問わず寄稿。メディア出演、連載多数。近著に『湘南モノレール50年の軌跡』(2023年5月 神奈川新聞社刊)、『かながわ鉄道廃線紀行』(2024年10月 神奈川新聞社刊)など

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