「もう無理」スペイン緊急事態で慟哭する飲食店

カタルーニャ州では10月14日から休業要請

ホテルの場合は、カタルーニャ州で9割がこの発令以前から閉店しているが、中にはレストランとバルだけは営業していたホテルもある。それも今回営業を停止せねばならなくなる。しかし、このまま手をこまねいて、何の対策も講じない場合は感染がさらに拡大するのは必至。ということが理由で州政府は今回の決定を下したのである。

15日付の『クロニカ・グロバル』によると、カタルーニャ州には飲食業界に従事している店が4万4100店あり、そのうち3万店がもろにこの影響を受けるとされている。何しろ2週間、売り上げがゼロという状態に耐えるには相当の犠牲を払わねばならない。カタルーニャ連盟は、2週間の休業は総額9億ユーロ(1080億円)の売上損失につながると指摘している。また、5割の業者が今年末まで事業を続けられるかわからないとしているという。

休業手当をもらっていても心配

しかも、この業界に従事している関係者は20万7000人いるが、現在その3分の2が休業補償を受けて休職している。現在およそ7万人余りがほそぼそとこの業界で継続して働いているという。ところが、今回の完全営業停止でこの7万人も休業補償を受けねばならなくなる、とクロニカ・グロバル紙は指摘している。

休業補償というのはスペインの場合、手取りの7割が政府から支給されて最低限の生活は保障されることになっている。もっとも、休業補償を受けている、あるいは受けることになる人が気になるのは、はたしてその後職場に復帰できるのか、ということだ。店が潰れてしまった場合、休業補償は受け取れず、失業保険に切り替えないといけなくなる。

もっとも、休業補償についても、3月から支給されるようになってから、現在までもらっていない人がかなりいるというのも問題となっている。行政上のシステムに問題があるようだが、それが今も一向に解決されないままなのだ。

再びの休業要請に飲食店からは悲鳴が上がる。500人の従業員を抱えるレストラン「トゥラガルス」グループの創業者の1人、トマス・タルエーリャ氏はカタルーニャ代表紙『バングアルディア』の取材に対して、「従業員の中には(今後どうなるのか)あまりにも不安で泣きながら電話して来た者もいる」と語る。

「夏のシーズンは悪かったが、これから頭を持ち上げようとしていたところだった。州政府の取った手段は間違っている。なぜなら私たちは、感染から守るためのすべての義務を果たしたし、感染させたこともない」

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