11月以降、日米の株価はジワジワ上昇しそうだ

今の市場は「不思議の国のアリス」に似ている

選挙戦もいよいよ大詰め。トランプ大統領の演説にも力が入る(写真:AP/アフロ)

前回の当コラム「日本株の先行きで米大統領選より気になること」(10月12日付)では「アメリカを中心に、株式市場は同国の追加経済対策の行方などで一喜一憂しており、そのたびに株価がドタバタと上下動している」という趣旨の話を述べた。

「不思議の国のアリス」のような株式市場

現在の同国経済は、コロナ禍を完全に乗り越えたわけではなく、まだ政策面からの支えが必要な状況だ。そんなことは、トランプ政権も与党共和党も野党民主党もわかりきっており、いずれも「追加政策を打ち出さなければいけない」という点では一致している。方向性が同じなのだから、大統領選挙前か後か、今年か来年かはわからないが、そのうち追加政策は出てくるだろう、と達観していればよさそうなところだ。

しかし実際の市場は、毎日決定的なことなど起きてはおらず、材料の少ない「なんでもない日」がほとんどだ。にもかかわらず、いろいろな報道等を大きく取り上げて「今度は追加政策に関する交渉が進展しそうだ」、次は「どうも話が進みそうもない」と、大騒ぎするばかりだ。これは、あたかも、「不思議の国のアリス」で、帽子屋が「なんでもない日、ばんざい!!」と、誰の誕生日でもないことで盛り上がりながら、空騒ぎのお茶会を続けているようなものだと言えよう。

特に空騒ぎが極まったのは、19日の同国市場だ。民主党のナンシー・ペロシ下院議長は直前の週末に追加の経済対策を巡る政権と民主党の協議の期限は48時間以内だ、と述べたと伝えられた。

当初、市場ではこの発言は「48時間以内に協議が成立するとの自信を示したものだ」として、株価がザラ場で上昇した。ところが、なんとその日が終わらないうちに、今度は、「48時間以内の交渉成立が無理だとわかっていての、ペロシ議長による事実上の交渉打ち切り通告に等しい」、という全く逆の観測が有力とされ、株価は反落を示した。

こうした「不思議の国のアリス」において、女王の怒りを買って時間が止まり、終わらない空騒ぎのお茶会(ティーパーティ)を続けているかのようなアメリカ株式市場の体たらくが続いている。それが18世紀、ボストン茶会事件(ボストン・ティーパーティ)などを契機にイギリスからの独立を果たしたアメリカという国で延々と繰り広げられている、というのは痛烈な皮肉のようだ。

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