スバリストは新型「レヴォーグ」をどう見たか 全方位的な進化を感じるが気になる部分も…

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グレードは「GT」「GT-H」「STI Sport」の3つで、それぞれにアイサイトXが装備される「EX」がラインナップされる。

<グレードと価格>
GT        310万2000円
GT-H       332万2000円
STI Sport      370万7000円
GT EX      348万7000円
GT-H EX        370万7000円
STI Sport EX  409万2000円
※価格は税込み

それまでの1.6リッターモデルが、およそ290万~360万円だったことを考えると、価格は全体的に高くなった。特にアイサイトX搭載車は、38.5万円高となる。以前のレガシィでは、400万円でトップグレードに手が届いたが、今回は400万円でも少し足りない。

しかし、先の発表会で公表された8月からの先行受注の内訳では、93%がアイサイトX搭載車だったという。また、STI Sport EXが54%と、最上級グレードが半数以上を占めていた。

最上級グレードの「STI Sport」(写真:SUBARU)

現在、レガシィツーリングワゴンと初代レヴォーグを所有している筆者の感覚と、数多くのスバル車ユーザーを取材している経験からすると、スバル車は1番高いグレードを買うのが結果的によいと思われることが多い。

その理由は、スバル車に求めるものが運動性能であることはもちろんあるが、先進技術に対する期待、上位グレードほど人気が高いためのリセールバリュー(再販価値)の高さもある。先行受注という実車を見ない中で購入したユーザーの多くも、そうした期待を持っていたのではないだろうか。

実際、サーキット試乗を経験した筆者も、STI Sport EXに最も心を惹かれた。アイサイトXの先進性と電子制御ダンパーによる走りのよさは、価格に見合った選ぶ価値のあるものだと感じている。

スバルのこだわり「0次安全」は…

スバルが掲げる安全思想の中に「0次安全」という言葉ある。それは、車内からの見切りのよさだ。確かに、運転席からフロント/サイドの視界は良好だ。

だが、後方部分はそれまでの水平基調ではなく、ハッチバック車のように切り上がった形状となっている。

筆者が気になったのがリアサイドウインドウの視界(写真:SUBARU)

これにともなって後方のサイドウインドウは小さくなっており、運転席から左後ろを見るとピラーで隠れる部分が多いと感じた。0次安全を大切にしてきたスバルの中にあって、少々残念だ。

視界を補うために360度センシングを可能にしたセンサー類やカメラが搭載されているが、もう少しウインドウラインを下げて、水平基調のツーリングワゴンらしいデザインでもよかったのではと思う。

こうした気になる部分は目を瞑るとしても、アイサイトXは大いに魅力的。筆者の中では、まだ購入に至る心の導火線に火はつかないが、サーキット試乗で体験した限り、現時点で購入しても後悔はないだろう。ただし、今注文しても納車は年明けになると聞く。待ち時間が長くなるのは、覚悟が必要だ。

雪岡 直樹 フォトグラファー・ライター

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ゆきおか なおき / Naoki Yukioka

1974年東京生まれ。フォトスタジオアシスタントを経てフリーランスのフォトグラファーへ。雑誌やWeb媒体の撮影を担当。自動車雑誌の撮影と並行してユーザーインタビューやイベントレポートを担当することで、ライターとしても活動。国内最高峰のレース「SUPER GT選手権」を長年取材。新車情報やレースレポート、イベントレポートなどを雑誌やWebに寄稿する。

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