会議下手は「駐車場」と「バルコニー」を使え! 「アマゾン式会議術」の3つの基本テクニック

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パーキングロットは、少しずれた話をする人に対して、嫌な気持ちにさせずに、論点を引き戻すツールとしても役立ちます。せっかく発言しても、それが取り上げられないと話した人は不満に感じます。

そこでパーキングロットに入れておけば、「いい指摘なので、尊重していますよ」という合図になります。本来話したかった論点の議論が片付き、まだ時間が残っていれば、パーキングロットの話に戻ることもできます。

「バルコニー」から議論を冷静に俯瞰する

意見が出ないのも困るのですが、みんなが熱くなって収拾がつかなくなってしまうのも問題です。そんなときには、「ちょっと冷静になろう」と声をかけて、議論の熱をコントロールすることも、ファシリテーションの大事なテクニックの1つです。とくに、オーナーは自分の求めるアウトプットにまで導くために、最も冷静でかつ客観的でないといけません。

冷静さを保つための1つの方法として、英語では「バルコニーから見下ろせ」という言い方があり、アマゾンの会議でもよく言われます。ダンスホールでみんなと一緒に踊っていると、冷静に全体を見渡すことできなくなります。だから、「いったんバルコニーに上って、みんなの動きを見てみなさい」という意味です。

それを実践するテクニックが、席を立ってみること。実際に、アマゾンでは会議中に誰かが急に席を立つことがよくあります。そうすると見える景色が変わるので、今までと少し違う観点から話せるようになるのです。

もう1つ、アマゾンでよく使われる会議のテクニックがあります。「リフレーズ」です。

アマゾンの会議には、無駄な出席者はいません。必要がない人は、呼ばれないか、たとえ呼ばれても本人が参加を辞退します。ということは、参加者はその意思決定に必要だから呼ばれたのであり、必ず発言する必要があります。

だから会議のオーナーは、発言の少ない人には話を振る必要があります。ある人だけが発言していて、それで意思決定がなされることがあってはなりません。

例えば、首をかしげながら静かに聞き入っている人に意見を促してみましょう。こうした人は、実はソリューションのアイデアを持っている可能性があります。ただ、うまく言葉にできない、遠慮して言えないということが往々にしてあります。

そんなときは、ファシリテーターがリフレーズしてあげます。リフレーズとは、発言者がうまく自分の意見を言えないときに、「それは●●ということですね」「その意見は●●さんの意見と関係がありますね」と言葉の足りない部分を補足したり、言い換えたりすることです。こうすることで発言が少ない人の意見を議論の場に引き出すのです。

これら3つのテクニックは、アマゾンのリーダーシップ研修で教わったものですが、実際にやってみると、非常に役立ちました。

会議の進め方に悩んでいる人は、一度実践してみてください。

佐藤 将之 エバーグローイングパートナーズ代表取締役/事業成長支援アドバイザー

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さとう まさゆき / Masayuki Sato

セガ・エンタープライゼスを経て、アマゾンジャパンの立ち上げメンバーとして2000年7月に入社。サプライチェーン、書籍仕入れ部門を経て、2005年よりオペレーション部門にてディレクターとして国内最大級の物流ネットワークの発展に寄与。2016年、同社退社。現在は鮨職人として日本の食文化の発展に携わるとともに、成長企業での15年超の経験を生かし、経営コンサルタントとして企業の成長支援を中心に活動中。著書に『アマゾンのすごいルール』『アマゾンのすごい問題解決』(宝島社)、アマゾンのスピード仕事術」(KADOKAWA)、などがある。

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