東京五輪「最悪は観客ゼロ」でも開催したい事情 菅政権で現実味帯びる、コロナ禍だからこそ

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日本では今もコロナの新規感染者が1日当たり600人程度確認されているが、ピークだった8月の4割弱まで減少した。一方、人口が3倍の米国はピーク時の6割まで減ってはいるものの、なお1日約4万5000人が感染している。

「ある程度の自信を持って、感染拡大を一定程度コントロールしながら経済を回していく。二律背反ではなく、両立できるという実績と自信の下に舵を切っている」と、安倍政権下で文部科学相を務めた自民党の柴山昌彦・自民党幹事長代理は言う。「その延長線上がオリンピック開催だと思う」と柴山氏は話す。

IOCと日本の大会組織委員会は9月下旬、大会の簡素化案をまとめた。延期に伴って膨らむ経費を削減するとともに、コロナ禍中の開催に備えるもので、約5万人とされる選手以外の関係者を最大15%減らすことなどで合意した。

観客の動員が焦点

今後の焦点になるのが、観客の動員だ。大会のコロナ対策を議論する政府、東京都、組織委員会などによる会合はこれまでに2回開かれており、5回目で観客の感染対策をどうするか検討する。日本オリンピック委員会(JOC)の武藤敏郎事務局長はメディアのインタビューなどで、観客を絞る可能性を示唆している。

武藤氏は7日、IOC理事会後に開いた会見で「アスリート以外にいろいろな関係する方が東京に来ようということになるが、本当にそこまで大勢の人が来ないとできないものなのだろうか」と発言。「人数というのは、あらゆるところのコストに関係するので、そういう問題を(理事会で)提起した」と語った。IOC理事会で賛同を得たという。

一方、バッハ会長は理事会の中で、現状は日本国外から観客が来る前提で準備を進めていると説明。「ここ数週間、日本国内でいくつかのスポーツが多くの観客を動員していることはとても励みになる」と語った。

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