東京五輪「最悪は観客ゼロ」でも開催したい事情

菅政権で現実味帯びる、コロナ禍だからこそ

 10月8日 経済回復を重視する菅義偉政権の誕生以降、東京オリンピック・パラリンピックを巡る流れが開催の方向へと傾きつつある。写真は8月6日、東京・台場で撮影(2020年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[東京 8日 ロイター] - 経済回復を重視する菅義偉政権の誕生以降、東京オリンピック・パラリンピックを巡る流れが開催の方向へと傾きつつある。大会はすでに簡素化することが決定しており、焦点は観客動員をどうするかに移る。新型コロナウイルスの世界的な感染状況は予断を許さない状況だが、どんな形であれ開催を目指す菅首相のもと、無観客での開催案も選択肢として浮上している。

「完全な形」からの解放

日本でコロナの感染が再び拡大し、安倍晋三政権が末期を迎えていた今年7月、五輪に対する国内の関心は大きく低下していた。NHKと共同通信が同月中旬に実施した世論調査では、いずれも6ー7割が再延期あるいは中止すべきと回答。来夏の五輪開催は困難との見方が大勢だった。

それが9月中旬に菅氏が首相に就任してからというもの、潮目が変わったと、政府や自民党、大会組織委員会の関係者は指摘する。政府はコロナ感染を防ぐための制限を次々と緩和。経済活動の再開に向けた動きが加速し、五輪開催に向けた機運も急速に盛り上がっている。

安倍前首相も五輪開催を目指してきたものの、「完全な形で実現する」と明言したことが日本の関係者の手足を縛ってきたきらいがある。首相が菅氏に変わったことでさまざまな選択肢を提示しやすくなったと、菅首相と頻繁に会う財務省幹部は話す。「大きいのは『完全な形』じゃないということ。その代わり、絶対やるぞという感じになっている」という。

政府は感染のピークは越えたとし、観光支援策の「GoToキャンペーン」に東京を追加することを決定。プロ野球などイベント開催時の人数制限を緩和、さらには海外との往来を再開し始めた。

国内における感染が落ち着いてきたこと、国際オリンピック委員会(IOC)が開催の意思を明確に示し始めたことが、日本側の背中を押していると、自民党の関係者は指摘する。

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