映画「テネット」アメリカでコケた予想外の事情 日本では大ヒットも「興行収入赤字はほぼ決定」

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そんな中で、各スタジオは、9月下旬公開予定だった『キングスマン:ファースト・エージェント』を来年2月に、10月に予定されていた『ワンダーウーマン1984』『ナイル殺人事件』を12月中旬に、11月頭だったはずの『ブラック・ウィドウ』を来年5月に延期した。

その結果、公開カレンダーは再び空白だらけになってしまう。そして先週には、11月20日に公開予定だった『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』まで、来年4月に延期されてしまったのだ。

さらに、今週8日には、同じ日に予定されていたピクサーの『ソウルフル・ワールド』もDisney+での配信に変更されてしまった。11月25日のドリームワークス・アニメーションの『The Croods: A New Age』は、とりあえずまだとどまっているが、もしこれまで延期してしまったら12月11日のライアン・レイノルズ主演のアクション映画『Free Guy』まで丸々2ヵ月もメジャー大作が何もないことになる。その『Free Guy』ですら、この先どうなるかわからない。

従業員4万5000人を一時解雇する映画館も

こういったスタジオの動きを受けて、世界で2番目の規模を誇るイギリスのシネコンチェーン、シネワールドは、アメリカで展開するリーガル・シネマ全536館と、イギリスに所有するシネワールドとピクチャーハウス全127館を、改めて一時的に閉鎖した。

これにより、4万5000人がまたもや一時解雇されている。同社のCEO、ムーキー・グレイディンガーは、「店を開けてはいても野菜も果物も肉もない食料品店みたいなものだから」と説明。この決断がなされたのは「007」の延期が発表された直後だったが、「007」のせいにするつもりはなく、むしろ彼は、興行主の声に耳を傾けてくれないニューヨークのアンドリュー・クオモ州知事を責めている。

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