名門NYタイムズ「恥ずべき黒歴史」が映す本性 大虐殺を握り潰し、テロ組織の宣伝工作に加担

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イスラエルは1967年に第3次中東戦争に勝利し、国の生き残りをかけた戦いに勝てること、いずれ勝つことを証明してみせたが、それ以来、繰り返しメディアの標的になってきた。

みなさんは、アメリカや世界中の報道でテロリスト集団のハマスが好意的な扱いを受けていることを不思議に思ったことはないだろうか。AP通信の元特派員で、イスラエル報道に携わっていたマッティ・フリードマンはこう説明する。

「2007年にガザで権力を掌握して以来、イスラム抵抗運動(ハマス)は、多くの記者が『イスラエル人は迫害者だ。パレスチナ人は正当な目標を掲げた被害者だ』というストーリーを信じており、それと矛盾する情報には関心がないことを知った。

だからこそ、ハマスの報道官は欧米のジャーナリストに対して、ハマスは好戦的な発言をしているが、実は現実的な考えを持った団体だと打ち明ける策を取っている。私はハマスからこうした話を聞かされたジャーナリストを個人的に何人も知っている」

テロ組織のプロパガンダに加担

「一方ジャーナリストたちは、そういう話を信じたがり、大衆は賢くないから鵜呑みにするだろうとばかりに、この偏った見方をスクープニュースとして取り上げてきた」

メディアはまたしてもニュースのもみ消しとプロパガンダの普及に加担している。

さらに2018年のクリスマスイブに、ニューヨーク・タイムズは、レバノンを拠点としてイランの支援を受けるテロ組織、ヒズボラが偽りの融和を演じようと開いたイベントをニュースとして好意的に報じた。ヒズボラはテロリストをイエス・キリストになぞらえていたが、それはまったくのプロパガンダだった。

ニューヨーク・タイムズは、「アナリスト」の言葉を借りながらとんでもない説明をした。

ヒズボラは伝道を行う団体で、まっとうな政治組織だとして、「アナリストによると、このようにクリスマスの精神を取り入れていることは、ヒズボラがレバノン社会の重要な政治、軍事勢力として開放的な組織である証拠だという。キリスト教系の政党との政治的な連携を強調していることがわかる」と断言したのである。

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