名門NYタイムズ「恥ずべき黒歴史」が映す本性 大虐殺を握り潰し、テロ組織の宣伝工作に加担

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「当時アメリカで最も有名な新聞だったニューヨーク・タイムズは、所有者がユダヤ人だったが、ユダヤ人偏重と思われるのを懸念していた。そのため、ホロコーストに関して、ある程度報道していたものの、たいていは1面以外のページで小さく扱うだけだった」

ノースイースタン大学教授で元ジャーナリストのローレル・レフは、著書『ニューヨーク・タイムズの隠蔽(Buried by the Times)』の中で同紙をこう断罪する。

「ニューヨーク・タイムズが、何百万ものユダヤ人の虐殺はさほど重要なニュースではないと判断したことで、さまざまな方面に影響があった。ニュースの価値を判断しようとしていた他社のジャーナリストたち、世論を動かしたいと思っていたユダヤ人団体、アメリカの対応を決めようとしていた政府高官への影響は大きかった」

実はニューヨーク・タイムズの発行人アーサー・ヘイス・サルツバーガーは、ホロコーストのニュースを、紙面で意図的に、繰り返し、握りつぶしたり完全に無視したりした。サルツバーガーがヨーロッパ系ユダヤ人の苦難から距離を置き、冷たい態度をとったのは、ユダヤ教への彼自身の考え方が大きく関係していた。

過去の大失態を教訓にできないメディア

2001年11月14日、マックス・フランケルがニューヨーク・タイムズにある意見記事を書いた。フランケルは同紙に50年間勤め、1986年から1994年まで編集長を務めた人物だ。

記事のタイトルは、「創刊150周年記念 1851年から2001年。ホロコーストから目を背けた過去」。ニューヨーク・タイムズは初めて、過去の過ちに徹底的に向き合おうとしたようだ。フランケルはこう書いている。

「ヒトラーによるユダヤ人の組織的な虐殺を、第2次世界大戦の最も恐ろしい恐怖として報道しなかったことは……痛恨の汚点だ。私たちは戦争について伝えるとき、ナチスの罪に光をあてるべきだった」

フランケルは記事の最後に、読者を安心させるように、サルツバーガー家とニューヨーク・タイムズは教訓を学んだと書いている。

フランケルは次のように記事を結んでいる。

「アメリカのメディアがヒトラーの狂った残虐行為に注意を向けなかったことで、その後何世代にもわたる記者や編集者たちは、今日に至るまで罪の意識を感じている。だからこそ、ウガンダ、ルワンダ、ボスニア、コソボといったはるか遠い地で民族に起きた蛮行に敏感に反応してきた。

大虐殺を目の当たりにしてジャーナリズムは手をこまねいているわけにはいかない、と固く決意している」

とはいえ、当時ニューヨーク・タイムズの多くの報道現場、ジャーナリストやコメンテーターの間に広まっていた、ホロコーストに関する報道姿勢やユダヤ人への反感は、まったく消えてしまったわけではないようだ。

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