日経新聞が出資した、スタートアップの実力

EventRegistは、ビジネスイベントの基盤を目指す

イベレジがビジネスイベントで多く導入されていけば、多くの協賛企業やイベント会場との関係性も強化されていく。そこのマッチング事業を考えている。

「ビッグデータでのマネタイズを検討しています。プラットフォームとして機能すれば、ユーザーのイベント参加履歴などから、こんなイベントもあるとレコメンドすることもできるようになります」

データがたまれば、イベント版グノシーが可能になる。ビジネスイベントなので、チケット単価も高く、レコメンド機能を通してユーザーがより多くのイベントに出会い、課金することで、収益機会は生まれるだろう。

チケット販売にとどまらず、イベント開催のプラットフォームとなれるか。息の長い事業となるだろうが、ビジネスの世界の徐々に浸透していく高いポテンシャルを感じた。

【梅木雄平のスタートアップチェック (各項目を1~5で採点)】
●経営陣:3.9 CEOヒラヤマコウスケ氏、COO小笹文氏は共にグーグル出身の30代後半。30代いぶし銀スタートアップの香りを感じ、手堅くビジネスを伸ばせそうな印象を受ける。
●市場性:3.8 日本国内のビジネスイベント市場は全て合わせて約2兆円。この中でチケット販売に絞ると数千億円規模と思われる。チケット販売手数料が中心ではなく、その裾野のマッチング事業のほうが収益機会が大きいと考える。市場性自体は海外でEventbriteの企業価値が約10億ドルとなっていることからも、証明されている。 
●利益率:3.5 今後販売手数料率が下がっていくことを考えると、利益率が高いモデルとはいえない。マッチング事業も単価が大きいが人的リソースはかかる。営業利益率が30%を超えてくる高粗利事業にはならないと考える。 
●競合優位性:4.1 法人向けカスタマイズに着手しているオンラインチケッティングのプレーヤーは国内では存在しない。海外のEventbriteでもあまりないと思われ、きめ細かいカスタマイズ力には高い競争優位性があると判断。 
●海外展開力:3.6 すでにシンガポール、インドネシア、台湾に拠点を設置。非英語圏を積極的に攻めたいとしている。シリーズA段階のスタートアップとしては海外展開の準備が整っており、海外への意識の高さを感じる。チケットサービスはおもてなし要素が大きく、そこでの難易度の高い日本で成功すれば、海外でも十分通用するプロダクトといえよう。
●総合点 :3.8 個人向けのような爆発力はないが、法人向けなので単価も高く手堅く収益を積み重ねられそう。イベント開催数は少なくとも、数万人規模のイベント開催のインフラとなる可能性が高い。イベント周辺領域のマッチング事業が成立し、代理店的な役割が機能すれば安定した収益を生み出せるだろう。  
●予想EXIT:2018年ごろの売却
●推定時価総額:100億~150億円
推定根拠:元グーグルによる経営陣なのでグーグルへの売却を期待したいところだが、グーグルが買収する事業としては第3弾で登場するPeatixのほうが親和性は高いと考える。単独でIPOするよりも、事業会社と連携したほうがレバレッジの効く事業と考え、売却と想定した。
ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • ポストコロナのメガ地経学ーパワー・バランス/世界秩序/文明
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • スージー鈴木の「月間エンタメ大賞」
  • 最新の週刊東洋経済
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
コロナでもブームは過熱中<br>不動産投資 天国と地獄

家計のカネ余りを背景に、マンションやアパートなどへの投資熱は冷める気配がありません。しかし、不動産投資にリスクはつきもの。先行きが見通せない状況で、何が優勝劣敗を分けるのでしょうか。現場の最前線を追いました。

東洋経済education×ICT